正期産の骨盤位妊娠に対する選択的帝王切開術

論点

多くの赤ちゃんは頭から生まれる。赤ちゃんが異なる姿勢の場合には、合併症が起こる可能性がある。骨盤位(訳注:逆子)は、胎児の頭ではなく下半身が下にある。下半身から生まれる赤ちゃんは、頭から生まれる赤ちゃんよりも経腟分娩において害を受ける可能性が高い。例えば、出産中に赤ちゃんが十分な酸素を得られない可能性がある。選択的帝王切開術はこのような問題を減らせるかもしれない。正期産における選択的帝王切開術と経腟分娩を比較したエビデンスを検討した。

重要である理由

帝王切開術を行うことは骨盤位の赤ちゃんのリスクを減少させる可能性があるが、手術自体には母児に対する他のリスクがある。

得られたエビデンス

2396名の女性を含む3件の研究を特定した(2015年3月までの研究を対象とした)。 研究の質とエビデンスの強さは概ね低度であった。短期的には、選択的帝王切開術による分娩は経腟分娩よりも児にとって安全だった。帝王切開術で生まれる赤ちゃんは死亡や高度な傷害が少なかった。しかしながら、数が少ないために確実性は低いものの、2歳の時点では帝王切開で生まれた子どもの方が健康上の問題が多かった。帝王切開術は母体にとって、腹痛などの短期的な問題の原因となった。ある研究では、尿失禁や会陰の痛みが減少するなどの利益も認められた。これらの研究は、帝王切開が将来の妊娠に及ぼし得る影響については検討していなかった。また、単胎児を対象にしており(双子や三つ子を含まず)、早産児も研究していなかった。

結論
赤ちゃんが骨盤位の場合、選択的帝王切開術の方が安全かもしれない。一方、帝王切開術は母にとってはあまり良くない可能性があり、将来の出産の安全性を低下させるかもしれない。帝王切開術による出産が、成長した赤ちゃんの健康にどのように影響するかはまだ分かっていない。

訳注: 

《実施組織》内藤未帆、杉山伸子 翻訳[2020.10.14]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD000166.pub2》

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