胎児発育の問題を検出するための妊娠中の子宮底長測定

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妊娠中の胎児発育を継続して監視することは重要である。発育不良がある場合、確認が遅れると胎児の死亡が起こりうるため、これをできるだけ早く確認すべきである。発育を確認する最も簡単な方法は、母親の腹部を触診し臍などの目印と比べて子宮の大きさを推定することである。これとは別の方法として、母親の恥骨(恥骨結合)から子宮底までをメジャーで測定する子宮底長(SFH)が知られている。測定値を単純な経験的法則による妊娠週数に当てはめ、正常発育と比較する。これらの2つの方法のうち、いずれが発育不良を検出しやすいかは不明である。超音波検査による評価も発育不良の検出に用いるが、費用がかかり常に利用可能とは限らず、不必要な使用が懸念されている。本レビューでは、SFH反復測定を腹部触診と比較している1件のランダム化試験(妊娠20週以上の女性1,639名対象)のみを認めた。発育不良検出について2つの方法に差を認めなかった。そのような限定的なエビデンスしかなく、一方が他方より有効か、これらの方法を超音波測定とどのように比較するかは不明のままであった。したがって、現在の診療行為での何らかの変更は推奨されない。

著者の結論: 

SFH計測がIUGR検出に有効であるかを確認するエビデンスは不十分であった。したがって、現在の診療行為の何らかの変更を推奨することはできない。さらなる試験が必要である。

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背景: 

恥骨結合上縁から子宮底長(SFH)測定は、主として胎児の子宮内発育不全(IUGR)を検出するため一般的に行われる。診断未確定のIUGRにより、胎児死亡が起こり、周産期死亡率と罹病率が上昇する。

目的: 

本レビューの目的は、異常な胎児発育(IUGRおよび在胎週数に比して大きい児:LFD)を検出し、周産期アウトカムを改善するためのSFH測定を、胎児パラメーターの連続的超音波計測または臨床的触診と比較することであった。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年1月20日)および収集した論文の文献リストを検索した。

選択基準: 

妊娠20週以上の単胎児妊婦を対象に、SFHの計測を胎児パラメーターの連続的超音波計測または解剖学的目印を用いた臨床的触診と比較しているランダム化比較試験(RCT)、準ランダム化比較試験、クラスターランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に組み入れについて試験を評価し、試験の質を評価しデータを抽出した。データの正確性についてチェックした。

主な結果: 

1,639名の女性を対象とした1件の試験を選択した。SFH計測を臨床的腹部触診と比較していた。 報告された2つの主要アウトカム、在胎期間に比して小さい児の発現率[リスク比(RR)1.32、95%信頼区間(CI)0.92~1.90]および周産期死亡に差はみられなかった。報告された副次アウトカム、新生児低血糖、新生児室入院、IUGRとしての新生児室入院、分娩誘発、帝王切開に差はみられなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.11.14

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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