乳児のアレルギー性疾患および食物アレルギーの予防のためのプレバイオティクス

乳児用調製乳にプレバイオティクスを添加した場合、乳児の湿疹や喘息を予防するというエビデンスが得られている。しかし、アレルギーに関するアウトカムを報告していない試験や、一部の乳児のアウトカムを報告していない試験もあるため、エビデンスの信頼性に疑問が残る。食物に対する反応やアレルギー(喘息、湿疹、花粉症など)の発生は多く、増加している可能性がある。多数の乳児が消化管を介して乳児用調製乳などの食物による感作を受けるが、この過程に腸内細菌の組成が影響を及ぼす可能性がある。正常な腸内細菌の発育を促進し、食物感作を予防する試みのひとつが、乳児用調製乳へのプレバイオティクス添加である。プレバイオティクスは消化されない食品成分で、結腸内で、「健康に良い」細菌の発育や活性を選択的に刺激するのに役立つ。本レビューでは、乳児食にプレバイオティクスを添加した場合、2歳までの乳児で湿疹を予防する可能性を示すエビデンスが得られた。プレバイオティクスの使用がアレルギーの高リスク乳児に限定されるのか、低リスク乳児にも効果が認められるのか、あるいは喘息など他のアレルギー性疾患にも有効であるのかは不明である。しかし、アレルギー予防に対してプレバイオティクスのルーチン使用を推奨する前に、この知見を裏付ける研究がさらに必要である。

著者の結論: 

乳児用調製乳を使用している乳児に対し、アレルギー予防にプレバイオティクスのルーチン使用を推奨するには、さらに研究が必要である。乳児食にプレバイオティクスを添加した場合、湿疹を予防するというエビデンスが得られている。プレバイオティクスの使用がアレルギーの高リスク乳児に限定されるのか、低リスク乳児にも効果が認められるのか、あるいは喘息など他のアレルギー性疾患にも有効であるのかは不明である。

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背景: 

乳児食にプレバイオティクス(多くの場合オリゴ糖)を添加すると、食物アレルゲンによる感作を予防できる可能性がある。

目的: 

乳児のアレルギー予防にプレバイオティクスを投与した場合の効果を検証すること。

検索方法: 

更新のため、Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL) (The Cochrane Library 2012年第8号)、MEDLINE、EMBASE、学会抄録集、参考文献一覧、専門家の情報および臨床試験レジストリを2012年8月に検索した。

選択基準: 

乳児のアレルギー予防について、プレバイオティクスをプレバイオティクスなしの場合と比較した、または特定のプレバイオティクスを他のプレバイオティクスと比較したランダム化および準ランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

Cochrane Collaborationの標準法を用いて、試験の質の評価、データ抽出およびデータの統合を行った。

主な結果: 

2012年の更新時に、13件の研究を継続中または結果待ちに分類した(アレルギーに関するアウトカムが未報告)。アレルギーに関するデータが報告されていないことを主因に43件の研究を除外したが、研究対象児に、アレルギーが高リスクの乳児は認められなかった。乳児1428名を対象とした4件の研究が選択基準を満たした。いずれの試験も症例減少バイアスのリスクが高かった。アレルギーのアウトカムが報告された乳児の年齢は4カ月齢から2歳であった。

2件の研究(乳児226名)のメタアナリシスでは、乳児喘息に関して有意差は認められなかったが、研究間で有意な異質性が認められた。4件の研究のメタアナリシスでは湿疹の有意な減少が認められた(乳児1218名, リスク比0.68, 95% CI 0.48〜0.97; リスク差-0.04, 95% CI -0.07〜-0.00; 必要症例数 (NNTB) 25, 95% CI 14〜> 100; P = 0.03)。研究間で統計学的に有意な異質性は認められなかった。1件の研究では、蕁麻疹に関して有意差は認められないと報告された。

乳児のアレルギーリスクや乳児食の種類に関して、サブグループ間で統計学的有意差は認められなかった。しかし、個々の研究では、ガラクトオリゴ糖およびフルクトオリゴ糖の混合物(GOS/FOSの割合9:1)(8 g/L)を添加した場合、アレルギーの高リスク乳児で喘息および湿疹の著しい減少が報告された。また、GOS/FOSの混合物(9:1)(6.8 g/L)と酸性オリゴ糖(1.2 g/L)を添加した場合、さまざまなアレルギーリスクの乳児で湿疹の著しい減少が報告された。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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