糖尿病黄斑浮腫に対するステロイドの硝子体内注入

著者の結論: 

本レビューに含めたRCTから、硝子体内注入または手術的インプラントのいずれかによる眼内へのステロイド投与は、持続性または難治性DMEの眼の視覚アウトカムを改善させることが示唆された。今回の報告に含めた研究は慢性または難治性DMEに焦点を当てていることから、ステロイド硝子体内療法を単独療法として、またはレーザー光凝固術などの他の治療法と併用した場合に、DMEのその他の病期、特により早期に価値があるかどうかについての疑問がある。

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背景: 

黄斑浮腫は罹患した網膜血管からの漏出に続発して起こり、糖尿病網膜症患者の中心視力不良の重要な原因である。

目的: 

本レビューは、糖尿病黄斑浮腫(DME)治療でのステロイド眼内投与の有効性と安全性を評価した。

検索戦略: 

2007年6月にCENTRAL、MEDLINE、EMBASEを検索し、参照文献リスト、Science Citation Index、学会予稿集を検索した。

選択基準: 

DME治療のために何らかのステロイド硝子体内注入を評価していたランダム化臨床試験(RCT)を含めた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に適格性、方法論の質を評価し、データを抽出した。適切な場合はメタアナリシスを行った。

主な結果: 

DMEの632眼を対象とした7件の研究を含めた。4件では酢酸トリアムシノロン(IVTA)の硝子体内注入の有効性を評価しており、3件では硝子体内ステロイドインプラント(フルオシノロンアセトニド・インプラント(FAI)またはデキサメタゾン薬物送達系(DDS))を評価していた。バイアスリスクは2件の試験で低く、1件で中程度、2件で高く、残りの2件は不明であった。大多数のデータによってIVTAの有益効果が示唆された。IVTAをコントロールと比較した際の視力の平均差は、3ヵ月時点で-0.15 LogMAR(95%CI -0.21~-0.09)(3件の試験に基づく)、6ヵ月時点で-0.23 LogMAR(95%CI -0.33~-0.13)(2件の試験)、9ヵ月時点で-0.29 LogMAR(95%CI -0.47~-0.11)(1件の試験)、24ヵ月時点で-0.11 LogMAR(95%CI -0.20~-0.03)(1件の試験)であり、すべてIVTAの方が優れていた。1段階以上の視力改善についての相対リスク(RR)は、3ヵ月時点で2.85(95%CI 1.59~5.10)(2件の試験)、6ヵ月時点で1.25(95%CI 0.66~2.38)(1件の試験)、24ヵ月時点で2.17(95%CI 1.15~4.11)(1件の試験)であり、すべてIVTAの方が有利であった。3段階以上の視力改善を示すエビデンスは認められなかった。網膜厚の平均差は3ヵ月時点で-131.97um(95%CI -169.08~-94.86)(2件の試験)、6ヵ月時点で-135.00um(95%CI -194.50~-75.50)(1件の試験)、9ヵ月時点で-133.00um(95%CI -199.86~-66.14)(1件の試験)、24ヵ月時点で-59.00um(95%CI -103.50~-14.50)(1件の試験)であり、すべてIVTAの方が優れていた。最低1グレードの黄斑浮腫消退についてのRRは3ヵ月時点で5.15(95%CI 2.23~11.88)であり、IVTAの方が優れていた(1件の試験)。2件の試験で、FAIを標準的な治療管理と比較した場合の臨床的アウトカムの改善を報告していた。1件のデキサメタゾンDDS試験でも有益な効果が認められた。モニタリングと管理を必要とした副作用として、眼圧上昇と白内障発生があった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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