乳癌患者における化学療法の副作用を治療するための中国薬草

著者の結論: 

今回のレビューから、化学療法によって誘発される短期の副作用軽減に中国薬草の有効性および安全性についてのエビデンスは限られている。中国薬草は化学療法と併用した場合に、乳癌患者における骨髄抑制の改善および生活の質の点で何らかの利益をもたらすと思われるが、エビデンスが非常に限られていることから、信頼するに足る結論を下すことはできない。乳癌患者治療における中国薬草療法の有効性および安全性についての結論を導き出す前に、十分にデザインされた臨床試験が必要である。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

化学療法の短期の副作用として、疲労、悪心、嘔吐、粘膜炎、骨髄抑制または好中球減少症がある。これらの副作用は治療期間中にあらわれ、一般に化学療法終了から数ヵ月以内に消失する。多様な中国薬草が、これらの副作用に対処するために使用されている。

目的: 

乳癌患者での化学療法が誘発する短期の副作用軽減に対する中国薬草の有効性および安全性を評価する。

検索戦略: 

Cochrane Breast Cancer Specialised Register(2007年2月15日)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL);(コクラン・ライブラリ2006年第4号);MEDLINE(1966年~2006年12月まで);EMBASE(1990年~2006年12月まで)およびChinese Biomedical Literature(2006年第4号)を検索した。多くの雑誌をハンドサーチした。

選択基準: 

乳癌女性患者において中国薬草併用の有無で分けた化学療法を比較したランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータを抽出し、そのデータをRevMan4.2を用いて解析した。二値データについては相対リスクを推定した。連続データについては、加重平均差を算出した。

主な結果: 

化学療法を施行中または最近施行した542例の乳癌患者を対象とした7件のランダム化比較試験を同定した。研究はすべて中国において実施され、発表されていた。同定された研究が極めて少なく、同一の介入を用いた研究はわずか2件であったため、結果は統合しなかった。全研究は質が低く、中国薬草+化学療法と化学療法単独との比較が行われていた。中国薬草と化学療法との併用では、静脈炎および脱毛症のアウトカムに統計学的有意差はなかった。1件の研究のみで悪心・嘔吐、疲労の改善がみられた。3件で中国薬草投与群において白血球の改善が示された。2件ではT細胞サブセットCD4およびCD8の百分率変化が上昇していた。1件の研究では、中国薬草についてT細胞サブセットCD3、CD4およびCD8の百分率変化に統計学的有意差を認めた。2種類の薬草の化合物により生活の質が改善していたと思われる。1件の研究で、中国薬草は肝臓および腎臓において毒性軽減に何らかの作用を有すると報告していたが、統計学的有意差はなかった。

訳注: 

監  訳: 2007.7.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
シェア/保存する