新生児の罹患率や死亡率を下げる目的での、新生児室のスタッフと訪問者のガウン着用

新生児室や新生児集中治療室(NICU)では、感染の拡大を防ぐために、スタッフや訪問者にオーバーガウンの着用を求めることが多い。オーバーガウンの着用は、彼らに手を洗うことを想起させるとも考えられており、手洗い自体は感染を防ぐうえで重要であることが証明されている。医学文献のレビューから、このような環境でのガウン着用に関する8つの臨床試験を特定した。対象となった新生児は3811人である。感染率、死亡率、または乳児の入室期間は、ガウンの着用によって有意な影響を受けなかった。エビデンスの質は2つの試験でのみ良好であると考えられ、試験間でガウン着用の方針についてばらつきが見られた。ガウン着用は手洗いの頻度を増加させなかった。感染の拡大を防ぐ目的でのスタッフのガウン着用を支持するエビデンスはなかった。これらの研究結果から、ガウン着用は費用対効果の高い対策ではないようだ。

訳注: 

《実施組織》 杉山伸子 翻訳、井村春樹 監訳[2020.03.07]
《注意》 この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。  《CD003670》

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