2型糖尿病に対するオメガ3多価不飽和脂肪酸(PUFA)

著者の結論: 

2型糖尿病に対するオメガ3PUFA補充はトリグリセリドとVLDLコレステロールを低下させるが、LDLコレステロールを上昇させる可能性(ただし、サブグループにおける結果は有意ではなかった)があり、血糖コントロールや空腹時インスリンに対して統計学的に有意な影響を及ぼさない。血管イベントまたは死亡率で規定したエンドポイントを用いた試験が必要である。

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背景: 

2型糖尿病の患者では、心血管疾患リスクが上昇している。食事性のオメガ3多価不飽和脂肪酸(PUFA)はトリグリセリド値を低下させることが知られているが、コレステロール値、血糖コントロールおよび血管アウトカムに及ぼす影響はよくわかっていない。

目的: 

2型糖尿病患者を対象にオメガ3PUFA補充が心血管アウトカム、コレステロール値、血糖コントロールに及ぼす効果を検討する。

検索戦略: 

コクラン・ライブラリ、MEDLINE、EMBASE、関連性のある論文の参考文献を包括的に検索し、その後追加された試験を同定するために専門家に問い合わせた。

選択基準: 

2型糖尿病患者を対象としたオメガ3PUFA補充または食事摂取をランダムに割付けた交絡のないすべてのランダム化比較試験を含めた。大規模試験の著者に欠損情報について問い合わせた。

データ収集と分析: 

選択するために試験を評価した。欠損情報は著者に問い合わせた。二人が独立してデータを抽出し、試験の質を評価した。固定効果モデルによるメタアナリシスを行った。

主な結果: 

23件のランダム化比較試験(参加者1075例)を含めた。平均治療期間は8.9週間であった。試験で用いられたオメガ3PUFAの用量は平均3.5g/日であった。血管イベントまたは死亡率をエンドポイントとした試験は同定されなかった。オメガ3PUFAを摂取した人において、トリグリセリド値は有意に0.45mmol/L低下し(95%信頼区間(CI)-0.58~-0.32、P<0.00001)、VLDLコレステロール値は-0.07mmol/L低下した(95%CI -0.13~0.00、P=0.04)。LDLコレステロール値は0.11mmol/L上昇した(95%CI 0.00~0.22、P=0.05)。総コレステロール、HDLコレステロール、HbA1c、空腹時血糖、空腹時インスリン、体重に有意な変化は認められなかった。より長期間の高トリグリセリド血症患者を対象とした試験でのみ、VLDLの上昇が有意に持続した。サブグループ解析では、LDLコレステロールの上昇は有意でなかった。本介入の有害作用の報告はなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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