2型糖尿病予防のための運動または運動と食事

著者の結論: 

食事と併用して運動増加を目指した介入は、高リスク群(耐糖能異常やメタボリックシンドロームのある人)の2型糖尿病の罹患率を低下させることができる。運動単独介入について検討する研究、ならびにQOL、罹病率、死亡率への運動と食事の効果、特に心血管系アウトカムへの効果を検討する研究が必要である。

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背景: 

2型糖尿病の罹患率は「西洋化した生活習慣」、主に食習慣と身体活動に関係している。従って、食事と運動の集中的介入が、高リスクの人の糖尿病発現を予防または遅らせるようである。

目的: 

運動または運動と食事の2型糖尿病予防効果を評価する。

検索戦略: 

コクラン・ライブラリ、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、LILACS、SocioFile、実施中の試験のデータベース、該当するレビューの参考文献リストを検索した。

選択基準: 

6ヵ月以上にわたる運動と食事介入に関するランダム化比較試験であり、2型糖尿病リスクの人に対する糖尿病の罹患率を報告している場合に、それらの研究を含めた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。欠損データを入手するために研究著者に問い合わせた。糖尿病罹患率および副次アウトカムに関するデータはランダム効果のメタアナリシスにより解析した。

主な結果: 

運動と食事の併用群(参加者2241例)および標準的推奨群(参加者2509例)を対象とした8件の試験を含めた。2件の研究は食事単独群(参加者167例)と運動単独群(参加者178例)からなった。研究期間の範囲は1年から6年であった。全体として、運動と食事を併用した介入は、標準的推奨と比較して糖尿病リスクを低下させた(RR0.63, 95% CI 0.49~0.79)。併用によって、体重および肥満指数の減少、ウエスト/ヒップ比、ウエスト周囲径に対しても良好な効果がみられた。しかし、これらのアウトカムは統計学的に異質性が非常に高かった。運動と食事介入は血液中の脂質にはきわめて軽微な効果しかなかった。しかし、このような介入は収縮期血圧と拡張期血圧を改善させた(それぞれ重み付け平均差-4mmHg、95%CI -5~-2、WMD-2mmHg、95%CI -3~-1)。運動単独介入を標準的推奨または食事単独介入のいずれかと比較した場合に、糖尿病罹患率に対して統計学的に有意な効果は認められなかった。糖尿病および心血管系に関連した罹病率、死亡率、生活の質(QOL)についての関連データを報告した研究はなかった。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2008.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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