特集号:コロナウイルス(COVID-19):遠隔医療によるリモートケア

初版は2020年5月6日に出版され、随時更新を行っている。最新のアップデートは2020年5月14日(詳細は以下を参照)。

この特集号はCOVID-19特集 の1つであり、定期的に更新される。この特集号は、フランス語日本語ポルトガル語ロシア語スペイン語にも訳されている。

この特集号の目的は、遠隔医療によるリモートケアに最も直接的に関連する系統的レビューに速やかにアクセスできるようにすることである。COVID-19の蔓延を抑制するために世界的に採用された遠隔医療は、医療へのアクセスと提供の方法に大きな変化をもたらした。医療従事者と患者の対面診察は双方に潜在的な感染リスクをもたらすため、リモートケアと遠隔医療は対面診察の代わりの方法となる。

遠隔医療とは、個別のヘルスケアを遠隔地で提供することを指す。[1]電話、インスタントメッセージ、ビデオ、テキストメッセージ、またはウェブベースのサービスによる相談などの、同時および時間差があるやり取りを含む。[2] 遠隔医療は3つの主要な要素で構成されている。患者は自身の健康に関するデータを提供する。データは電子的に医療の専門家に転送される。医療の専門家は、自身の臨床技術と判断で患者に個別のフィードバックを提供する。[1,3]患者への遠隔医療の提供には多くのメリットがあるが、高齢者、社会経済的に不利な状況の人々、身体障害や学習障害を持つような人々にとっては遠隔医療へのアクセスは大きな課題になるかもしれない。

この特集号には、喘息、糖尿病、心血管疾患、認知症、生殖医療、皮膚癌などのさまざまな状況の臨床管理をサポートするための遠隔医療の使用に取り組むコクランレビューが含まれている。介護者と親に対するサポートだけではなく、患者が自身の慢性疾患の自己管理を強化するために遠隔医療を使用することに関するレビューが含まれる。いくつかのレビューはパンデミック時の禁煙に関するレビューに関連しているので、コロナウイルス(COVID-19):パンデミック時の禁煙に効果的な選択肢を参照されたい。

2020年5月14日更新:コクラン臨床回答に、モバイルヘルス(mHealth)テクノロジーを使用してプライマリケアを提供する「医療従事者」の認識と経験:質的エビデンスの統合、を加え、そのフランス語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語の新たな翻訳を追加した。

 

遠隔医療を容易にする通信システム

予防医療および長期疾患管理を目的とした自動電話通信システム

自動電話通信システム(ATCS)は、音声メッセージを患者に送り、相手のプッシュホン電話の数字キーまたは音声認識ソフトを用いて患者から健康情報を収集することができる。ATCSは、医療従事者と患者間の電話による連絡を補完、あるいは取って代わるものとなりうる。このレビューでは、疾患の予防と慢性疾患の管理を目的とするATCSが行動の変化、臨床、経過、認知、患者中心の治療、そして有害事象に及ぼす影響を評価する。

疾患を抱えた成人の専門の介護職でない人(家族や友人による介護)へ、教育と心理学的支援を提供するための医療専門家による電話介入

地域の患者ケアを維持することは、専門職ではない介護者のサポートに大きく依存している。介護者は、準備が不十分な状態で介護を行なっていて、専門家のサポートが必要であると感じるかもしれない。電話は地理的な場所に関係なく、簡単にアクセスできる支援方法である。このレビューでは、専門職でない介護者への教育および心理社会的支援を提供するための通常のケア、または電話を基本としない支援介入と比較して、医療専門家によって提供される電話支援介入の有効性を評価している。

生殖、妊婦、新生児、小児、および思春期の健康のための、モバイルデバイスでアクセス可能な、標的型デジタルコミュニケーションに関する顧客の認識と経験:質的エビデンスの統合

対象とする患者とのコミュニケーションで一般的なものは、予約や薬の服用を促すテキストメッセージである。その他のものとしては、電話、対話型の音声応答、ヘルスケア情報を提供するマルチメディア、アドバイス、モニタリングなどがある。このレビューでは、生殖、妊婦、新生児、小児、思春期の健康に関するトピックについて、モバイルデバイスを介した標的型デジタルコミュニケーションに関する顧客の認識と経験について検討している。レビューの要約顧客、患者、一般の人々との標的型コミュニケーションのための携帯電話:実装する上での検討事項関連するコクラン臨床回答生殖、妊婦、新生児、小児、および思春期の健康のための、モバイルデバイスを用いた標的型デジタルコミュニケーションに対する認識や経験にはどのようなものがありますか?

モバイルヘルス(mHealth)技術を使用して一次医療サービスを提供する医療従事者の認識と経験:質的エビデンスの統合

プライマリーケアでは、医療従事者は多くの場合、モバイルデバイスを使用して患者を登録し、その健康状態を追跡し、治療に関する意思決定を行うとともに、患者や他の医療従事者と連絡を取る。医療従事者がどのようにモバイルヘルス(mHealth)に関わり、経験しているかを理解することは、モバイルヘルス(mHealth)の実装に役立つ。このレビューでは、プライマリヘルスケアサービスを提供するためにモバイルヘルス(mHealth)技術を使用している医療従事者の認識と経験に関するエビデンスを統合し、ある技術が他の技術よりも効果的である理由についての仮説を展開している。関連するコクラン臨床回答:プライマリケアを提供するためにモバイルヘルス(mHealth)テクノロジーを使用する医療従事者の認識と経験はどのようなものか?レビューの要約:医療従事者向けのプライマリケアにおける携帯電話:実装に関する検討事項

対話型遠隔医療:専門医の診療と医療アウトカムへの影響

遠隔医療とは、遠隔通信システムを使用して遠隔地で医療を提供することである。遠隔医療は、患者の健康に関する転帰や医療へのアクセスを改善し、医療費を削減する可能性がある。このレビューでは、通常のケア(対面式のケア、または電話による相談)の代わりとして、もしくは追加としての、対話型遠隔医療の有効性、受容性、およびコストを評価する。関連するコクラン臨床回答糖尿病の患者にとって対話型遠隔医療の効果は何か?心不全の患者にとって対話型遠隔医療の効果は何か?

身体活動を促進するための対面と遠隔およびWeb2.0(誰もがウェブを通して情報発信できる)介入の比較

遠隔やWeb2.0のアプローチが急速に普及する一方で、身体活動を促進するための対面式の介入が引き続き人気を集めているが、長期的に持続的な変化を達成する上でどちらのアプローチがより効果的なのかは不明である。このレビューでは、16歳以上の地域住民における身体活動促進のための対面式と遠隔およびWeb 2.0介入の有効性を比較する。

 

喘息とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)

喘息患者の通院と次の通院までの期間の在宅遠隔監視と遠隔フィードバック

医療専門家が喘息患者の自己管理を促進することは、症状を制御し、悪化を防ぐために重要である。患者が自宅で肺機能と喘息症状を測定するために電話とインターネットを活用できる。患者はこの情報を医療従事者と電子的に共有でき、医療従事者は通院と次の通院までの期間にフィードバックできる。このレビューでは通常のケアと比較して、通院と通院の間の期間に医療従事者がフィードバックする在宅遠隔監視の有効性と安全性を評価する。関連するコクラン臨床回答:喘息患者の通院と通院の間の期間における自宅での遠隔監視と遠隔フィードバックの利点と害は何か?

喘息の検診におけるリモートと対面の比較

喘息の専門家による定期的な検診は、症状を観察し、投薬を調整するために不可欠である。遠隔検診は、患者との接点を維持するための適度で効率的な方法であるかもしれないが、この方法で検診を実施することが効果的であるか、また予期せぬ悪影響をもたらす可能性があるかは不明である。このレビューでは、通常の対面での検診と比較して、遠隔で喘息の検診を行うことの安全性と有効性を評価する。関連するコクラン臨床回答:喘息患者の遠隔検診と対面検診はどう違うのか?

慢性閉塞性肺疾患の自己管理のためのコンピューターとモバイル技術の介入

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、有害な粒子やガス(タバコの煙など)に対する肺の異常な炎症反応による気道閉塞が特徴である。過去10年間の研究では、患者の自己管理を促進するための支援技術の開発のための革新的な方法に焦点を当ててきた。このレビューでは、COPD患者の自己管理を促進、支援、および維持する上で、コンピューターやモバイル技術を用いた介入と、対面での介入、ハードコピー/デジタル文書または両方を比較して有効性を評価する。

喘息患者のための意思決定の共有

喘息患者は、共有意思決定(SDM:患者と医者が一緒に決める)を用いて自分の状態を管理することができる。SDMには、少なくとも2人の参加者(医者と患者)が関わって、患者の価値観や好みなどの情報をお互いに共有することで、好ましい治療についてのコンセンサスを構築し、合意に結びつける。効果的な自己管理は喘息患者にとって特に重要であり、SDMは患者を教育し、患者が自身の健康に積極的に関与できるようにすることで、治療結果と生活の質を改善する可能性がある。このレビューでは、成人と小児の喘息患者の意思決定を共有することの利点と潜在的な害を評価する。関連するコクラン臨床回答:喘息患者にとって、意思決定の共有は転帰にどのように影響するのか?

 

心血管疾患

心血管疾患の二次予防における服薬遵守を改善するための携帯電話のテキストメッセージ

世界中で少なくとも1億人が心血管疾患(CVD)を抱えていると考えられている。心血管疾患を抱える人は、抱えていない人よりも、心血管イベントが再発する可能性が5倍高くなる。二次的CVD予防とは、そのようなイベントの再発の確率を減らすことを目的とした行動と定義される。推奨される治療法の遵守は依然として適切だとは言えない。服薬を守らない患者に影響を与えるために、拡張性が高く(大規模な集団への導入が容易な)、費用対効果の高い行動を変えるための介入を開発する必要がある。このレビューでは、心血管イベントを既に起こした患者に対し、携帯電話のテキストメッセージが治療の遵守、致死的および非致死的な心血管イベント、有害作用に及ぼす効果を評価する。関連するコクラン臨床回答:心血管疾患の二次予防における服薬遵守を改善するための携帯電話テキストメッセージ

成人の心血管疾患の一次予防のために処方された投薬へのアドヒアランス(患者が理解納得して治療を受けること、服薬遵守)を改善するための携帯電話ベースの介入

心血管疾患(CVD)の予防のために処方された薬物療法へのアドヒアランスが悪い場合がある。EUにおけるCVD症例の約9%は、血管の薬物療法へのアドヒアランス不足が原因である。CVDの一次予防のための服薬遵守を改善するための低コストで拡張可能な(大規模な集団への導入が容易な)介入は、CVDに関連する罹患率、死亡率、および医療費を削減する可能性がある。このレビューは、成人のCVDの一次予防のために処方された薬物療法へのアドヒアランスを改善するために、携帯電話によって提供される介入の有効性を確立することを目的としている。関連するコクラン臨床回答:心血管疾患(CVD)の一次予防のための携帯電話ベースの介入の効果はどうか?

慢性心不全患者に対する構造化された電話サポートおよび非侵襲的遠隔モニタリング

限られた医療資源と急速に進行する高齢化において、医療システムが心不全の患者に質の高い医療を提供することはますます困難になっている。患者は、費用や交通手段の問題、障害や心身の衰えなどの理由から、頻繁に診療所に通うことに抵抗があったり、不可能な場合がある。構造化された電話サポートと遠隔モニタリングは、医療サービスへのアクセスが制限されている多くの患者に専門的な心不全治療を提供することができる。このレビューでは、構造化された電話サポートや非侵襲的な在宅遠隔モニタリングが心不全患者の標準治療より優れているかどうかみるために、それらを比較したランダム化比較試験(RCT)を評価する。関連するコクラン臨床回答:心不全患者における構造化された電話サポートまたは非侵襲的遠隔モニタリングの利点と害は何か?

 

メンタルヘルスと神経学

急性および慢性疾患の子供のための専門の在宅看護サービス

小児の専門的な在宅看護サービスは、プライマリーケアを充実させ、入院期間を短縮しながら、入院による苦痛を軽減する費用対効果の高い手段として提唱されている。このレビューは、急性および慢性疾患の小児のための専門の在宅看護サービスを評価する。

小児および青年の慢性および再発性疼痛の管理のための(遠隔での)心理療法

心理療法は、従来はセラピストと対面して行われていたが、痛みの強さや障害を軽減するのに効果的である。インターネット、コンピューターのプログラム、スマートフォンのアプリケーションなどを介して遠隔で提供される治療法は、慢性的な痛みを持つ小児や青年に治療を届けることができる。このレビューでは、小児や青年の慢性疼痛の管理において、待機リスト(痛み専門のクリニックに予約し待機リストの順番に専門家の治療を受ける)、通常の治療法、または積極的なコントロール療法(他の教育プログラムなど)と比較して、遠隔で実施される心理療法の有効性を決定する。関連するコクラン臨床回答:遠隔で提供される認知行動療法(CBT)は、小児や青年が慢性の痛みを管理するのに役立つか?

多発性硬化症患者に対する遠隔リハビリテーション

新しい方法である遠隔リハビリテーションは、病院を超えてリハビリテーションケアを拡張し、自宅や地域での遠隔コミュニケーション技術を用いた最新の患者管理となる、多面的でしばしば心理療法的なアプローチを容易にする。このレビューでは、患者の治療結果を改善することを目的とした多発性硬化症患者への遠隔リハビリテーション介入の有効性と安全性を検討している。

脳卒中のための遠隔リハビリテーションサービス

通信技術の高速化と高度化に伴い、遠隔リハビリテーションの利用がより現実的になっている。このレビューは、遠隔リハビリテーションが、対面リハビリテーション、またはリハビリテーションなし、または通常のケアと比較した場合、脳卒中生存者の間で日常生活の活動を行う能力の改善につながるかどうかを決定する。

地域社会に住む人々の危険で有害なアルコール消費を減らすための個別のデジタル介入

過度のアルコール消費量を減らすための実証済みの戦略は、プライマリーケアの中で、簡単な会話ベースの介入を提供することである。しかし最近の技術革新により、問題のあるアルコール消費に対処するために設計されたデジタル介入として、人々がコンピューター、モバイルデバイス、またはスマートフォンを介して直接対話できるようになった。このレビューでは、地域社会に住む人々の危険で有害なアルコール消費、アルコール関連の問題、またはその両方を削減するためのデジタル介入の有効性と費用対効果を評価している。関連するコクラン臨床回答:危険で有害なアルコール消費を削減するための個別化されたデジタル介入は、コミュニティに住む集団への介入なし/最小限の介入とどのように比較されるのか?

認知症患者の記憶サポートのための支援技術

認知症ケアにおける電子支援技術への関心の高まりは、在宅で認知症患者を支援するための有用なアプローチの開発が急務となっていることによる。また、電子機器は低コストで入手しやすいため、障害者の利益のために電子機器を使用することもより現実的になっている。このレビューは、認知症の、日常生活における個人的(歩く、食べるなどの基本的な動作)および手段的(買い物、服薬管理などより高度な動作)日常生活動作のパフォーマンス、自立度、および長期ケア施設への入所などの観点から、認知症の人の記憶支援のための支援技術の有効性を評価する。

認知症患者の専門職でない介護者(家族や友人による介護)に対する電話カウンセリングの有効性と経験

認知症患者の専門職でない介護者は、抑うつ症状、精神的苦痛、およびその他の身体的、社会的、経済的影響に苦しむ可能性がある。このレビューは、認知症患者の専門職でない介護者に対する電話カウンセリングの有効性の定量的なレビューを作成し、電話カウンセリングを受けた介護者の経験と電話カウンセリングを実施したカウンセラーの経験を調査するための質的研究を統合することである。それらを統合して介入のうまく機能している側面と、改善もしくは再設計すべき要素を明らかにすることを目的としている。

 

遺伝性疾患に関連する状態

サラセミア患者の服薬遵守と疾患管理を促進するためのコンピューターとモバイル技術の介入

サラセミア患者では、長期の赤血球輸血は依然として治療の中心であり、鉄の過剰摂取が重篤な合併症やさまざまな臓器障害を引き起こす可能性がある。サラセミア患者が進行中の鉄負荷を最小限に抑えるには、長期の鉄キレート療法が不可欠である。さらに、服薬を適切に守らないと、鉄過剰に関連する有害事象を増加させ、罹患率、死亡率、医療利用率および治療のコストを増加させる可能性がある。このレビューは、サラセミア患者の服薬遵守と疾患管理を容易にするために設計されたコンピューターとモバイルテクノロジーの介入の効果を特定して評価することを目的としている。

 

腹部および内分泌

2型糖尿病の成人に対するコンピュータベースの糖尿病自己管理介入

構造化された患者教育プログラムは、糖尿病関連の合併症のリスクを4分の1に減らす。インターネットベースの自己管理プログラムは、様々な慢性疾患に対して有効であることが示されているが、そのようなプログラムの本質的な、もしくは効果的な要素が何かは不明である。このレビューでは、2型糖尿病の成人を対象としたコンピューターベースの糖尿病自己管理介入が健康状態と健康関連の生活の質に及ぼす影響を評価する。

慢性腎臓疾患患者へのeヘルスによる介入

慢性腎疾患は罹患率と死亡率が高く、末期の腎疾患に進行するにつれて増加する。世界中で様々な技術の活用が大幅に増加しており、それに伴って関連する健康情報への患者のアクセスを改善し、ヘルスケアの質を高め、健康的な行動を促進するためのeヘルス介入を用いることへの関心が高まっている。このレビューは、eヘルス介入を使用して慢性腎臓病の人々の健康行動を変えることの利点と害を評価することを目的としている。

 

生殖能力、妊娠、および新生児

妊娠中および産後6週間までの女性に対する電話サポート

電話サポートは、母乳育児のサポートやうつ病のリスクのある女性など、妊産婦ケアの特定の分野で有益である可能性を示すエビデンスが存在する。このレビューでは、妊娠中および出産後最初の6週間の電話サポートが、通常のケアと比較して、母親と乳児に及ぼす影響を評価する。

ハイリスク新生児の親の援助を目的とした遠隔医療

新生児集中治療室に入院している子どもの両親や家族は、情報と時間の面で医療専門家からの大きな支援を必要しており、遠隔医療はこの支援を増やす可能性がある。このレビューは、集中治療を受けている新生児の家族をサポートする遠隔医療技術の使用が入院期間と親や家族の満足度に影響するかどうかを評価する。

避妊法の利用を改善するための携帯電話ベースの介入

避妊は女性と子供の健康に大きな利益をもたらす。携帯電話による介入は他の健康分野でも効果的であることが実証されているが、避妊することへの効果は不明である。このレビューでは、避妊法の利用を改善するための携帯電話ベースの介入の効果を評価する。

自己投与と医療従事者による薬による中絶

薬による中絶の手順として、ミフェプリストンを投与した後にミソプロストールを投与するか、ミソプロストールのみ投与するものがある。自己投与による妊娠中絶では、少なくとも1つの薬物を服用する段階で、医療従事者の監督なしに女性自身が薬物を服用する。医療従事者が不足している状況では、自己投与により医療システムへの負担が軽減される可能性がある。しかし、中絶の自己投与が有効かつ安全であるかどうかは依然として不明である。このレビューでは、自己投与による妊娠中絶と医療従事者が投与する妊娠中絶の有効性、安全性、受容性を、あらゆる状況で比較する。関連するコクラン臨床回答:妊娠中絶を求める女性にとって、自己投与による中絶は医療提供者による中絶とどのように異なるのか?(日本では中絶に使用する薬は未認可で販売・譲渡が禁止されており、また指定医でないものが中絶を行うと本人でも堕胎罪に問われる恐れがあります)

 

目と視力

視力の弱い人のための遠隔リハビリテーション

リハビリテーション訓練と視覚補助装置は、視力の弱い人の助けとなる場合がある。しかしながら、視覚障害者の中には、視覚補助装置の使用方法を学ぶためにリハビリテーションクリニックに直接訪問することが難しい人がいる。これらの治療への障壁は、遠隔のウェブベースの診療(遠隔リハビリテーション)によって克服されるかもしれない。このレビューでは、様々な眼の疾患により視覚機能が低下している人の視覚関連の生活の質および近視読解能力を向上させるための、対面式(診察室内や入院)での視覚リハビリテーションサービスと遠隔リハビリテーションの効果を比較する。

 

皮膚

成人の皮膚癌を診断するための遠隔皮膚科診療

黒色腫と扁平上皮癌は、転移して最終的には死に至る可能性のある高リスクな皮膚癌である。基底細胞癌は通常、限局性であり、周囲の組織に浸潤して損傷を与える可能性がある。遠隔皮膚科診療は、総合診療医が、通常の紹介経路を通じて患者を紹介することなく、疑わしいと思われる皮膚病変について専門の皮膚科医の意見を得られる方法を提供するものである。このレビューでは、成人の皮膚がんの検出における遠隔皮膚科診療の診断精度を決定し、その精度を対面診断の精度と比較している。関連するコクラン臨床回答:侵襲性黒色腫または非定型表皮メラニン形成細胞変異の検出に写真画像を用いた遠隔皮膚科診療の精度はどのくらいか?

メラノーマが疑われる皮膚病変のある成人をトリアージするためのスマートフォンアプリケーション

黒色腫は、すべての皮膚がんの症例の中では割合は少ないが、皮膚がん関連の死亡の原因の大半を占めている。早期発見と早期治療により生存率を向上させることができる。スマートフォンのアプリケーションは容易にアクセスでき、悪性腫瘍の可能性をすぐに評価できる可能性があるため、疑われる人は病変を詳細に評価してもらうため臨床医の診察を受けることができる。このレビューでは、疑わしい皮膚病変が懸念される成人の皮膚浸潤性黒色腫および非定型表皮内黒色細胞変異を除外するためのスマートフォンのアプリケーションの診断精度を評価している。

 

参照

1.McLean S、Protti D、Sheikh A. 慢性期における遠隔医療。BMJ 2011;342:d120. https://doi.org/10.1136/bmj.d120

2.McLean S、Sheikh A. 遠隔医療は、慢性呼吸器疾患の地域に根ざした管理のために、患者中心の治療を推進するか?Primary Care Respiratory Journal 2009;18(3):125-6. https://doi.org/10.3132/pcrj.2009.00006

3.Sood S、Mbarika V、Jugoo S、Dookhy R、Doarn CR、Prakash Nなど遠隔医療とは何か?104件の査読付きの視点と理論的根拠を収録。Telemedicine and e-Health 2007;13(5):573-90. https://doi.org/10.1089/tmj.2006.0073

謝辞

この特集号は、Ciara Gleeson(エビデンス統合アイルランドフェロー/臨床専門医理学療法士(呼吸器)、アイルランド)、Dr Maureen Kelly(総合診療分野、アイルランド国立大学、アイルランド)らが、コクラン編集・方法論部門のToby Lasserson(副編集長)、Robin Featherstone(情報スペシャリスト)、Monaz Mehta(編集者)とDeclan Devane(コクランアイルランド)とともに作成した。コクラン急性期と救急医療コクラン循環器と呼吸器コクランメンタルヘルスと神経科学 、およびコクラン公衆衛生と医療システムがこの特集号のレビューの選択に関する情報を提供した。

翻訳

この特集号の日本語版は、岩見謙太朗(北海道大学医学部医学科)が翻訳し、山本依志子(国立成育医療センター)が監訳した。(2020年5月8日翻訳)この特集号の英語版はコクラン・ライブラリで閲覧できます。コロナウイルス(COVID-19):遠隔医療によるリモートケア

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AJ_Watt/Getty Images

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Cochrane Editorial and Methods Department (emd@cochrane.org)

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