メニエール病または症候群治療における食習慣の変更

レビューの論点

メニエール病患者の症状に対する塩分、カフェインおよびアルコールの単体または同時摂取の制限による食習慣の変更を行うと、どのような効果があるか?

背景

100,000人当たり約200人がメニエール病または症候群で悩まされている。この疾患は、原因が特定できない場合はメニエール病、発症の原因がわかっている場合はメニエール症候群とよばれる。この疾患の患者は、めまい(めまい感の発現)、難聴、耳内の圧迫感、および耳鳴(耳内で響く騒音)を経験する。

現在、メニエール病に対する標準治療はなく、食習慣の変更から薬物まで選択肢があり、手術する場合もある。メニエール病は、内耳(内リンパ)液の量または組成のかく乱によって生じると考えられている。食事による塩分摂取は血中の電解質(体内の電気インパルスを司る塩分およびミネラル分)濃度に影響し、内リンパ液の組成に影響する可能性がある。したがって、塩分摂取が発作に関与することがあり、食事において制限することで内リンパ液の量および組成の両方を制御することができる。カフェインおよびアルコール摂取は、血管収縮を引き起こし、内耳への血液供給を減少させることがあるため、患者の症状を悪化させることがある。多くの医師が、一次治療として、比較的簡単で費用がかからない食習慣の変更を提案する。患者が治療の選択肢について正しい提案を受けるため、および無効な介入に時間を費やすことによってより適切だと考えられる治療が遅れて不快な症状や疾患の進行が生じることがないように、食習慣の変更が有効かどうかを調べた。

試験の特性

今回、メニエール病または症候群の成人患者に対する、食習慣の変更(塩分、カフェインおよびアルコールの制限または置換もしくはその両方)を制限無しの場合と比較する、質の高い研究(ランダム化比較試験)を検索した。この調査は2018年3月までを対象としている。

主要な結果

本レビューの選択基準に一致したランダム化比較試験は同定されなかった。

エビデンスの質および結論

メニエール病または症候群の患者に対する、塩分、カフェインまたはアルコール摂取の制限についてのランダム化比較試験から得られたエビデンスはない。この疑問を解決するには、この分野の質の高い研究が必要である。それは、厳密な方法を用いた試験(たとえば、ランダム化および盲検化、または患者レジストリの慎重な利用)による、認められたメニエール病の診断基準に一致する患者のみを慎重に組み入れた研究である。食習慣の変更によって生じうる有害作用または望ましくない作用についての疑問に対する対策は重要であろう。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2019.09.30] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。  《CD012173.pub2》

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