単胎妊娠での早期産防止に対する子宮頚管縫縮術

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子宮頚管縫縮術とは、子宮頚部(頚管)周囲を縫縮する、妊娠中に実施される外科的処置の一つである。本処置は、頚管に機械的支持を行うことにより早期産のリスクを低下させることを目的としている。正常妊娠中、頚部は固く閉じており、満期に達するまで妊娠を継続する。妊娠の終わりに近づくと子宮頚部は短縮し始め、徐々に軟らかくなり正常分娩/出産に備える。時々、子宮頚部が早期に短縮し拡張して、後期流産または早産を起こすことがある。 本レビューでは妊娠中断となるリスクが高い女性3,328名を対象とした計12件のランダム比較研究を選択した。子宮頚管縫縮術を無治療と比較した場合(9試験)、児の出生前早期死亡(流産の結果、死産)数、周産期死亡数、新生児疾患罹病数に明らかなはなかったが、早産数は明らかに減少した。帝王切開を要した女性の数および副作用(腟分泌物、出血、発熱)が発現した女性の数は、本処置を受けた女性の方が多かったが、副作用は重篤ではなかった。 1件の研究は経腟超音波検査により頚管短縮を検出した女性を対象に、子宮頚管縫縮術を17αカプロン酸ヒドロキシプロゲステロンの毎週筋肉内投与と比較していたが、母体と新生児の産科的アウトカムには認められなかった。2件の研究は経腟超音波検査で頚管の短縮を認めた場合、過去の子宮頚管縫縮術歴に基づいて実施する子宮頚管縫縮術の利益について比較していた。これら2つの管理プロトコル間に有意なはなかった。

著者の結論: 

治療と比較して、子宮頚管縫縮術により、早期産再発リスクのある女性での早期産罹患率が低下したが、周産期死亡率および新生児罹病率の統計学的に有意な低下はなく、児に対する長期的影響は不明であった。妊娠中に子宮頚管縫縮術を受けた女性の方が帝王切開の可能性が高かった。

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背景: 

子宮頚管縫縮術は妊娠中の外科的処置としてよく知られている。これは子宮頚部(頚管)に縫合を行い、頚管に機械的支持を行うことにより早期産のリスクを低下させることを目的としている。本処置の有効性および安全性について議論が続いている。

目的: 

女性の既往歴および/または「頚管短縮」の超音波所見および/または身体的診察に基づき、妊娠が継続できないリスクが高い単胎妊娠において、子宮頚管縫縮術の使用によりその後の産科的治療と胎児のアウトカムが改善するか評価すること。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2011年10月31日)および同定した研究の文献リストを検索した。

選択基準: 

妊娠中断のリスクがかなり高く、子宮頚管縫縮術の適応の可能性があると判断された場合に実施される、単胎妊娠での子宮頚管縫縮術に関するすべてのランダム化試験を選択した。子宮頚管縫縮術を無治療または何らかの代替介入と比較しているあらゆる研究を選択した。

データ収集と分析: 

3名のレビューアが選択について試験を別々に評価した。2名のレビューアが別々にバイアスリスクを評価しデータを抽出した。データの正確性についてチェックした。

主な結果: 

12件の試験(女性3,328名対象)を選択した。子宮頚管縫縮術を無治療と比較した場合、周産期死亡(8.4%対10.7%)[リスク比(RR)0.78、95%信頼区間(CI)0.61~1.00;8試験、女性2,391名)および新生児罹病率(9.6%対10.2%)(RR 0.95、95%CI 0.63~1.43;4試験、女性818名)に統計学的な有意はなかったが、早期産の有意な減少が認められた(平均RR 0.80、95%CI 0.69~0.95;9試験、女性2,898名)。子宮頚管縫縮術は高率な母体副作用(腟分泌物および出血、発熱)と関連していた(平均RR 2.25、95%CI 0.89~5.69;3試験、女性953名)。帝王切開率は子宮頚管縫縮術後の方が有意に高かった(RR 1.19、95%CI 1.01~1.40;8試験、女性2,817名)。 事前に規定したすべての臨床的サブグループ(既往歴による適応、超音波所見による適応)間に、何らかの重要のエビデンスは認められなかった。 1件の研究は経腟超音波により検出した頚管短縮の女性を対象に、子宮頚管縫縮術を17αカプロン酸ヒドロキシプロゲステロンの毎週筋肉内投与と比較していたが、この2つの管理戦略の間に産科的アウトカムおよび新生児アウトカムにおける明らかなは認められなかった。 2件の研究は経腟超音波検査で頚管の短縮を認めた場合のみ、過去の子宮頚管縫縮術歴に基づいて実施する子宮頚管縫縮術の利益について比較していた。主要アウトカムおよび副次アウトカムのいずれにおいても有意なはなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.8.29

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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