羊水穿刺または絨毛生検によるリスク低減のための手技変更

現在、羊水穿刺と絨毛生検(CVS)の実施法の手技的側面の多くは、術者の個人的好みに委ねられている。さまざまな改変法の安全性および正確性を比較するために、1,049名の女性の5件のランダム化試験を選択した。羊水穿刺では、研究により子宮を弛緩させる薬剤(陣痛抑制薬)、プロゲステロン予防投与、異なる穿刺部位での安全性の違いを比較していた。CVSでは、1件の研究が処置前の陣痛抑制を、もう1件の研究が胎盤組織の吸引での持続的真空吸引の役割を評価していた。これらの改変法のどれも処置の安全性に対する臨床的に重要な効果はなかった。全体として、現在の臨床行為を変えるほど十分な質のエビデンスを認めなかった。十分な安全性アウトカムを伴う高品質の、重要な臨床的差異を検出するのに十分な対象数をもつランダム化試験が必要である。

著者の結論: 

全体として、本レビューで統合したエビデンスの質は、現在の臨床行為を変えるほど十分なものではなかった。明白なエビデンスがないことから、術者は最も慣れた方法と改変した手技の使用を継続すべきである。

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背景: 

現在、羊水穿刺または絨毛生検(CVS)の方法は地域や国のガイドラインに記載される傾向にあるが、器具の選択などの特定の面は術者の好みに主に基づいている。英国のセンターの専門医の診療行為を調査したところ、大幅なばらつきがあることが明らかになったことから、手技の構成要素の標準化により、この手順の安全性に影響を与える可能性がある。

目的: 

本レビューの目的は、出生前診断のための羊水穿刺とCVSの両方について、すべての実施法の安全性および有効性を比較することであった。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年4月11日)を検索した。

選択基準: 

妊娠15週後に実施する羊水穿刺またはCVS(経腹的または経腟的)の異なる方法を、互いに、または無検査と比較しているランダム化試験を選択した。準ランダム化試験(交互割付けなど)は除外した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが検索の結果、同定したすべての研究を組み入れの可能性について別々に評価した。2名のレビューアが別々に試験の質を評価した。2名のレビューアがデータを抽出した。データの正確性についてチェックした。

主な結果: 

羊水穿刺(3件の研究)またはCVS(2件の研究)のいずれかの際の、5種類の異なる手技改変を評価している総計1,049名の女性の5件のランダム化試験を選択した。 羊水穿刺では、3種類の介入(筋肉内投与のプロゲステロン、ヘキソプレナリン、後期「ブラインド」による手順での穿刺高部位または低部位の選択)がそれぞれ一つの小規模な研究で評価されていた。これらのいずれの利益についても結論的なエビデンスはなかった。CVS中のテルブタリン陣痛抑制および持続的真空吸引の使用についても同様の結果であった。

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