急性脳卒中患者での感染予防に対する抗菌薬療法

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著者の結論: 

本メタアナリシスにおいて、予防的抗菌薬療法により感染リスクが低下したと考えられたが、要介護患者数および死亡患者数は減少しなかった。しかし、選択した研究は小規模で異質性が認められた。大規模ランダム化試験が早急に必要である。

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背景: 

脳卒中は、高所得国での障害の主要原因であり、世界では第二の死因となっている。感染は脳卒中後に起こることが多く、アウトカムに悪影響を及ぼす可能性がある。脳卒中急性期での予防的抗菌薬療法により、感染が減少しアウトカムが改善する可能性がある。

目的: 

1. 急性脳卒中患者での予防的抗菌薬療法によりフォローアップでの要介護および死亡リスクが低下するかについて評価すること。2. 急性脳卒中患者での予防的抗菌薬療法により感染率が低下するかについて評価すること。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group's Trials Register (2010年10月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2010年第3号)、MEDLINE(1950年~2010年10月)およびEMBASE(1980年~2010年10月)を検索した。既発表、未発表、および実施中の試験をさらに同定するため、試験および研究登録簿を検索し、参考文献リストを調査し、著者、共著者、および本分野の研究者に連絡を取った。

選択基準: 

急性虚血性脳卒中または出血性脳卒中患者を対象にした、予防的抗菌薬療法とコントロール(プラセボまたはオープンコントロール)とを比較したランダム化比較試験(RCT)

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に論文を選択しデータを抽出した。第三の観察者との合議により意見の相違を解決した。必要であれば研究著者に連絡を取り、欠損データを得た。独立した観察者が方法論的質を評価した。二値アウトカムに対し相対リスク(RR)を算出し、対象とした研究間の異質性を評価し、研究の質に関するサブグループ解析を実施した。

主な結果: 

506例の患者を含む、5件の研究を選択した。研究対象集団研究デザイン、抗菌薬の種類および感染の定義は大きく異なっていた。予防的抗菌薬群における死亡患者数は、コントロール群の258例中38例(15%)に対し減少した[248例中33例(13%)]が有意ではなかった[RR 0.85、95%信頼区間(CI)0.47~1.51]。また、予防的抗菌薬群における要介護患者数は、コントロール群の208例中127例(61%)に対し減少した[208例中97例(47%)]が有意ではなかった(RR 0.67、95% CI 0.32~1.43)。予防的抗菌薬療法により急性脳卒中患者での感染罹患率は36%(169例中61例)から22%(166例中36例)に低下した(RR 0.58、95% CI 0.43~0.79)。予防的抗菌薬による重大な副作用は報告されなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2012.4.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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