成長と脳の発達を最適にするための早産双胎児の同床

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早産双胎児は、成長および発達の問題についてリスクが高い状態にあります。同床(双胎児を同じコットまたは保育器に寝かせること)は、出生前に共有していた環境をシミュレートしており、「相互調節」と呼ばれる一連の観察される行動で互いをサポートすることから、双胎児に利益があると提唱されています。これらの活動が出生後も継続できれば、成長と脳の発達が促されると提唱されています。しかし、双胎児を同じ保育器やコットに置くと、介護者が間違えたり、感染が起こるなどのリスクがあります。このレビューでは、状態の安定している早産双胎児の同床の利益と有害性についてのエビデンスをまとめることにしました。<br /><br />このレビューでは5件の研究を認めましたが、大半が小規模で方法にいくつかの限界がありました。全体として、体重増加、呼吸、心拍数、酸素レベルでの大きな障害のエピソード(無呼吸、徐脈、酸素飽和度低下のエピソード)、入院期間、感染について、同床群と個別ケア群にはありませんでした。エビデンス全体の質は低かったため、新生児室での状態の安定している早産双胎児の同床を支持する勧告も支持しない勧告も行えませんでした。本分野でのさらなる研究が必要です。

著者の結論: 

状態の安定している、同床の早産双胎児の利益および有害性に関するエビデンスは不十分で、実際の診療での勧告を行えなかった。今後の研究では、成長および神経発達における臨床的に重要を検出できる十分な検出力が必要である。また、感染および誤薬などの有害性、ならびに介護者の満足度も評価すべきである。

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背景: 

最近数十年間の双胎出生率の上昇および早産児の予後改善に伴い、双胎の成長と神経発達アウトカムの最適化を測定する方法を探索する必要性がでてきた。双胎児間での相互調節性の行動が子宮内で経験され、それを同床が刺激すると推定されている。これらの行動は、双胎児のストレスが減るため成長と発達が促進され、双胎児に利益があると提唱されている。しかし、実際の同床の利益‐リスクプロファイルについては不明な点がある。

目的: 

状態の安定している早産双胎児での成長、および他の臨床的に関連性のある生理的アウトカムと神経発達的アウトカムに対する同床の効果を評価することを目的とした。

検索方法: 

Cochrane Neonatal Review Group(CNRG)の標準的検索法を用いた。2012年7月まで、キーワードおよびMesH見出しを用いて、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ2012年第7号)、MEDLINE(PubMed経由)、EMBASE(EBCHOST主催)、CINAHLが検索され、および最終候補論文で引用された文献を検索した。

選択基準: 

各双胎および/または新生児室のレベルのいずれかでランダム化しているランダム化比較試験(RCT)を選択した。クロスオーバー研究は除外した。

データ収集と分析: 

CNRGの標準法を用いてデータを抽出した。2名のレビューアが別々に取出した記録の関連性およびバイアスリスクを評価した。発表論文から重要な情報が欠失している場合は、選択した研究著者に連絡を取った。適宜、リスク比(RR)および平均差(MD)とその95%信頼区間(CI)を用いて結果を表示した。各双胎ペアでの測定値を平均して(連続アウトカム)、または双胎のうちいずれかにアウトカムが発現した場合そのアウトカムを陽性と数えて(二値アウトカム)、個々の乳児から双胎ペアへ解析単位を調整した。

主な結果: 

5件の研究選択基準を満たしたが、データ利用が可能であったのは4件のみであった。選択した研究5件中4件は小規模でデザインにかなりの限界があった。各研究が様々にアウトカムを報告しているため、アウトカムの大半についてのデータは、実際は1件の研究によるものであった。以下のアウトカムについて同床の双胎児と個別のケアを受けた双胎児とにはみられなかった:体重増加率(MD 0.20 g/kg/日、95%CI -1.60~2.00)、無呼吸、徐脈および酸素飽和度低下(A/B/D)のエピソード(RR 0.85、95%CI 0.18~4.05、1件の研究)、入院期間(MD -4.90日、95%CI -35.23~25.43)、感染率(typical RR 0.84、95%CI 0.30~2.31、3件の研究)。両親のケアに対する認識にもはなかった。同床の双胎児の方が啼泣時間が長いが、静的睡眠時間も長いようであった。全アウトカムでエビデンスの質は低~非常に低であった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美, 2014.3.14

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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