高血圧患者における体重減少食事療法の長期的効果

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著者の結論: 

原発性高血圧患者では、体重減少食事療法により体重および血圧が低下したが、本解析に選択できた患者および研究の数が少なかったため、その効果の大きさは不明である。体重減少が死亡率および罹病率を低下させるかどうかは不明である。有害作用に関する有用な情報は、関連性のある試験において報告されていない。

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背景: 

降圧療法に関する主要なガイドラインのすべてが体重減少を推奨している。よって、体重減少を目的とする食事介入は、血圧を下げ高血圧に合併する心血管系有害事象を減少させる有用な介入の1つであると考えられる。

目的: 

主要目的高血圧患者における体重減少食事療法の長期的効果を評価すること。‐総死亡率‐心血管系罹病率‐有害事象(重篤な有害事象すべて、有害事象による中止、非重篤な有害事象すべてを含む)副次目的高血圧患者における体重減少食事療法の長期的効果を評価すること。‐収縮期血圧のベースラインからの変化‐拡張期血圧のベースラインからの変化‐体重減少

検索方法: 

Ovid MEDLINE、EMBASE、CENTRALのコンピュータ検索、および参照文献リストとシステマティック・レビューの検索から研究を入手した。

選択基準: 

研究期間が24週以上で原発性高血圧成人患者を対象に体重減少食事療法による介入がある場合と、食事による介入のない場合を比較しているランダム化比較試験(RCT)

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にバイアスリスクを評価しデータを抽出した。研究は固定効果メタアナリシスを用いて統合した。Higgins I2により測定した異質性が中等度以上の場合は、ランダム効果モデルを用いた。

主な結果: 

平均年齢45~66歳の高血圧患者総数2,100例を対象にした8件の研究選択基準を満たした。平均治療期間は6~36カ月であった。事前に規定したアウトカムとして死亡率を含む研究はなかった。1件のRCTは、前の降圧療法の再開の必要性と重度の心血管系合併症からなる複合エンドポイントに対する体重減少食事療法の効果を検討していた。このRCTにおいて、体重減少食事療法によりエンドポイントが減少し、食事療法がない場合に比べてハザード比は0.70 [95%信頼区間(CI)0.57~0.87]であった。今回のプロトコルで規定した有害事象を評価した研究は認められなかった。血圧はコントロール群に比べて体重減少食事療法群で低下した[収縮期血圧(SBP):重み付け平均差(WMD)-4.5 mm Hg、95% CI -7.2~-1.8 mm Hg(8件中3件で解析)、拡張期血圧(DBP):重み付け平均差(WMD)-3.2 mm Hg、95% CI -4.8~-1.5 mm Hg(8件中3件で解析)]。患者の体重もコントロール群に比べて体重減少食事療法群で減少した[WMD -4.0 kg(95% CI -4.8~-3.2)(8件中5件で解析)]。2件の研究は、主要アウトカムとして、降圧薬の中止を用いていた。本レビューではこれを関連性のあるアウトカムとして考えていなかったが、これらの研究結果は、体重減少食事療法による介入によって血圧を低下させるという所見の重要性を強調している。

訳注: 

監  訳: 相原 守夫,2011.12.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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