青少年のう蝕を予防するための歯磨剤中のフッ化物濃度の検討

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著者の結論: 

本レビューからフッ化物配合歯磨剤は青少年のう蝕を予防できることが確認された。フッ素濃度が1000 ppmか、それ以上の濃度の時にのみプラセボと比較して統計学的に有意にう蝕を予防できた。相対的なフッ化物配合歯磨剤のう蝕予防効果は、用量依存的に増加した。6歳以下の小児に対してどのようなフッ素濃度を使うべきかについては、フッ素症リスクとのバランスを考慮すべきである。

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背景: 

う蝕(虫歯)は、脱灰、再石灰化の長期に渡る不均衡や、デンタルプラーク中のう蝕原性細菌と、それにより代謝されうる炭水化物(多くは砂糖)との相互作用により引き起こされる歯の硬組織の疾患である。フッ化物配合歯磨剤の使用は、主要なう蝕予防の手段である。

目的: 

青少年期で、濃度の異なるフッ化物配合歯磨剤のう蝕予防効果を調べる。また、ベースラインのう蝕リスクによる影響、歯磨き指導による効果なども調べた。

検索方法: 

本レビューでは、Cochrane Oral Health Group’s Trials Register、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE (OVID)、EMBASE (OVID)、その他のDBを検索した。さらに論文の参考文献欄からも検索した。最新の検索日は2009年6月8日。

選択基準: 

ランダム化比較試験とクラスターランダム化比較試験で、フォローアップ期間が最低1年以上のもの。16歳以下の青少年に対するフッ化物配合歯磨剤とプラセボとの比較、または濃度の異なったフッ化物配合歯磨剤の比較試験主要アウトカムは、永久歯及び乳歯のう蝕、抜歯、充填歯歯面((D(M)FS/d(m)fs))に関する、ベースラインからの増減を比較した。

データ収集と分析: 

研究選択基準。データ抽出及び質的評価は、レビューチームの2人のレビューワにより、独立にかつ、個別になされた。意見の相違があった場合には、議論により合意を得るか、第三者により解決された。主要な効果判定は、コントロール群のう蝕の増加から試験群のう蝕の増加を引き算した数値を、コントロール群の増加で割り算した予防率として表した。プールされたデータによるネットワークメタ分析、ネットワークメタ回帰またはメタ分析モデルが使われた。ソースデータの不均一性が予測され、ランダムエフェクトメタ回帰分析で評価された。

主な結果: 

75の研究が本レビューに含まれた。その中の71研究(79トライアル)についてネットワークメタ分析、ネットワークメタ回帰、メタ分析された。66の研究(74トライアル)で、乳歯及び永久歯でフッ化物配合歯磨剤とプラセボ、及びフッ化物濃度の影響をD(M)FSで検討したネットワークメタ分析がなされた。う蝕予防効果はフッ化物配合歯磨剤でフッ化物配合濃度が高いほど、有意に高かった。D(M)FSでプラセボと比較すると、1000/1055/1100/1250 ppmのフッ化物を配合した群は、23%(95%信頼区間19%~27%)、2400/2500/2800 ppmのフッ化物を配合した群は、36%(95%信頼区間27%~44%)予防効果が高かった。しかし、440/500/550 ppm以下の群は、プラセボと有意がなかった。フッ化物配合濃度と、予防率で用量依存的な関係を示すエビデンスもあるが、常に統計学的に有意とは限らなかった。ベースラインでD(M)FSが高いハイリスク群や、ブラッシング指導により、より予防効果が出る傾向も認められたが、統計的に有意ではなかった。6つの研究では、乳歯に対するフッ化物配合濃度を評価しており、フッ化物配合濃度に依存した同等な結果が得られている。介入に対するコンプライアンスや副作用に関して評価した論文はすくなかった。報告されている場合では、コンプライアンスや副作用に関してはなかった。また、軟部組織の障害や、歯への色素沈着といった有害事象はほとんど報告されていない。

訳注: 

監  訳: 廣島 彰彦,豊島 義博,JCOHR,2011.12.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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