腎機能が低下した成人および小児に対する鉄剤による治療

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貧血は、腎障害患者に生じることが多く、特に透析治療を必要とする患者に多い。貧血は、疲労感、運動耐性の低下、心拡大を生じる場合がある。貧血の一般的な原因は、エリスロポエチンというホルモンの産生量の減少である。鉄欠乏は貧血を増悪させ、エリスロポエチン産生を刺激する薬物への反応を低下させる可能性がある。鉄は経口または静脈内注射(静注)によって投与する。静注(Intravenous:IV)鉄剤は病院で監督下のもとに行われる。鉄剤の投与経路については、経口よりも静脈内注射の方が適しているかどうかは不明である。28件の試験(参加者2098例)を対象とした今回のレビューでは、静注鉄剤では経口鉄剤と比較して、ヘモグロビン値(貧血の目安)および血中鉄濃度が高く、透析患者が必要とするエリスロポエチン量が減少するという結果となった。静注鉄剤では、経口投与では見られなかったアレルギー反応の発生が少数件認められたが、経口鉄剤は静注鉄剤よりも嘔吐、嘔気、便秘および下痢が多く生じた。その他のアウトカム(あらゆる原因の死亡、心疾患による死亡、生活の質)には違が認められなかったが、このようなアウトカムが報告された試験は少数(9/28件)だった。来院して透析を受ける必要がない患者に対する静注鉄剤投与の影響を調査した試験はなかった。これらの結果は、静注鉄剤は経口鉄剤と比較して鉄濃度とヘモグロビン値の上昇に有効であることを確認しているが、一部の静注鉄剤投与患者において重篤なアレルギー反応が生じるわずかなリスクがあるにもかかわらず、生活の質の改善(胃部不快感の件数が少ない)によって静注鉄剤の有益性を正当化してよいかどうかを決定するには、データが不十分であった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD007857.pub2】

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