母子の感染症を予防するための胎便による羊水汚染に対する分娩時抗菌薬

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著者の結論: 

プラセボと比較して、分娩中のMSAFに対する抗菌薬の投与は絨毛膜羊膜炎を減じる可能性があることを現在のエビデンスは示している。抗菌薬が分娩後子宮内膜炎、新生児敗血症、NICU入院を減じることができるというエビデンスはなかった。本システマティック・レビューは、母体や新生児の合併症の罹患率に対する抗菌薬の予防的投与の効果を評価するには、より多くの適切にデザインされた、十分な統計学的検出力を有するRCTが必要であることを確認した。

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背景: 

絨毛膜羊膜炎は、胎便による羊水汚染(MSAF)が存在する場合に起こる可能性がより高い。胎便は、羊水中の細菌の増殖を強化し、羊水の静菌的性質を阻害する可能性がある。MSAFに関連する多数の有害新生児アウトカムは胎便吸引症候群(MAS)から生じる。MSAFは母体と新生児双方の感染症と関連する。抗菌薬はこのような罹病を減じるための有効な選択肢であると思われる。

目的: 

本レビューの目的は、母体と新生児の感染症予防における分娩中のMSAFに対する抗菌薬の予防的投与の有効性と副作用を評価することであった。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2010年9月30日)。

選択基準: 

MSAFの女性に対する分娩中の抗菌薬の予防的投与とプラセボまたは無治療を比較しているランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に、唯一入手可能であった試験の結果を評価し、母体と新生児のアウトカムに関するデータを抽出した。

主な結果: 

120例の妊婦を対象とした1件の研究を選択した。この研究は、MSAFの妊婦を対象として、アンピシリン‐サルバクタム(N=60)と生理食塩液(N=60)を比較した。抗菌薬の予防的投与は新生児敗血症(リスク比(RR)1.00、95%CI 0.21~4.76)、新生児集中治療室(NICU)入院(RR 0.83、95%CI 0.39~1.78)、および分娩後子宮内膜炎(RR 0.50、95%CI 0.18~1.38)の罹患率を統計学的有意に低下させないようであった。しかし、絨毛膜羊膜炎のリスクは有意に低下した(RR 0.29、95%CI 0.10~0.82)。重度の有害作用は報告されなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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