慢性喘息に対するホルモテロール(フォルモテロール)定期投与とサルメテロール定期投与との比較:重篤な有害事象

著者の結論: 

ホルモテロール定期投与をサルメテロール定期投与と比較している4件の研究を同定した(吸入ステロイドのランダム化はなかったが、参加者全員が吸入ステロイドの定期投与を背景治療として受けていた)。事象は非常にまれで、その結果、ホルモテロールとサルメテロールの相対的安全性について確実な結論を得られるほど十分な数の患者が検討されていなかった。喘息関連の重篤な有害事象はまれであり、喘息関連死の報告はなかった。

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背景: 

慢性喘息において、定期ホルモテロールおよび定期サルメテロールのどちらの使用によっても、重篤な有害事象が増加することが、以前のコクラン・レビューで確認されている。

目的: 

定期ホルモテロールと定期サルメテロールを慢性喘息患者にランダムに割り付けた試験において、死亡率および致死的でない有害事象のリスクについて比較した。

検索方法: 

Cochrane Airways Group Specialised Register of trialsを用いて試験を同定した。未発表試験データについて臨床試験登録の製造業者ウェブサイトをチェックし、ホルモテロールおよびサルメテロールに関連した、米国食品医薬品局(FDA)への提出書類をチェックした。最新検索日は2012年1月であった。

選択基準: 

患者の年齢および喘息重症度を問わず、ホルモテロール定期投与とサルメテロール定期投与(吸入副腎皮質ステロイドのランダム化はなし)にランダム化し、12週以上の試験期間の並行デザイン比較臨床試験を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に本レビューの選択について試験を選択しアウトカムデータを抽出した。治験依頼者および著者に死亡率および重篤な有害事象の未発表データについて問い合わせた。

主な結果: 

本レビューに4件の研究を選択した(成人1,116例、小児156例を対象)。全研究は非盲検で、既に吸入ステロイドを喘息に対し使用している患者を組み入れており、重篤な有害事象に関するデータを提供した。全研究は、ホルモテロール12 µg 1日2回投与をサルメテロール50 µg 1日2回投与と比較していた。Serevent Accuhalerに対して、成人の研究ではForadil Aerolizerとの比較を、小児の研究ではOxis Turbohalerとの比較を実施していた。成人では死亡例が1例(喘息と関連なし)のみ認められたが小児の死亡例はなかった。非致死的重篤有害事象について、成人[Petoオッズ比(OR) 0.77、95%信頼区間(CI)0.46~1.28]においても小児(Peto OR 0.95;95%CI 0.06~15.33)においても、ホルモテロールとサルメテロールの比較で有意はなかった。6カ月の期間中、本解析に寄与した成人を対象とした研究において、重篤な有害事象の割合はホルモテロールで5.1%、サルメテロールで6.4%であった。3カ月の期間中、重篤な有害事象がみられた小児の割合はホルモテロールで1.3%、サルメテロールで1.3%であった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2012.7.24

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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