肝細胞癌に対する冷凍療法

著者の結論: 

肝細胞癌の患者を対象に冷凍療法を推奨または否定するエビデンスは、現時点では存在しない。肝細胞癌治療で冷凍療法が果たす役割を明確にする上でバイアス・リスクの低いランダム化比較試験が有用と思われる。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

肝細胞癌は、肝臓で最もよくみられる原発性の悪性腫瘍である。肝細胞癌治療のための冷凍療法の役割に関するエビデンスは議論が続いている。

目的: 

本レビューは、肝細胞癌治療における冷凍療法の利益と有害性の可能性を評価することを目的とする。

検索方法: 

Cochrane Hepato-Biliary Group Controlled Trials Register、コクラン・ライブラリのCochraneCentral Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、およびLILACSを2009年6月まで検索した。国および主題に特化したデータベース、参考文献、学会抄録、雑誌、および灰色文献を検索することによってさらなる研究同定を行った。さらに、参考文献リストをレビューし、同定した研究の筆頭著者にも問い合わせた。

選択基準: 

本レビューでは、共介入を併用したまたは併用していない冷凍療法を、プラセボ、無治療、またはその他のコントロール介入と比較したランダム化比較試験(言語や発表の状況にかかわりなく)を考慮した。ランダム化比較試験はなかったため、準ランダム研究ならびに前向きコホート研究および後ろ向きコホート研究を検索した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立に研究を同定し、選択基準を満たすかどうかを評価した。二値データはリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)として表した。コクラン共同計画の推奨に従ってレビューを行った。

主な結果: 

ランダム化比較試験は同定できなかった。同様に、準ランダム化試験も同定できなかった。代わりに、前向きコホート研究2件および後ろ向きコホート研究2件が同定された。しかし、これらの研究結果は肝悪性腫瘍の種類(原発性か二次性か)と介入群の両者に基づいて層別化されていたため、利益の評価に含めることができたのはこれらの研究のうち1件のみであった。この1件の後ろ向き研究は、経皮的冷凍療法を経皮的ラジオ波と比較していた。残りの研究は利益の解析には除外されたが、有害性の評価には含まれた。重度および非重度の有害事象の両者が報告されていたが、有害性の真の性質や程度の評価は困難であった。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save