成人と小児における慢性喘息増悪に対する吸入コルチコステロイド増量と安定用量の比較

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著者の結論: 

小児を対象とした試験からのエビデンスはほとんどない。連日維持用量のICSで維持されている喘息の成人において、増悪発現時のICSのself-initiatedな1000 mcg/日から2000 mcg/日の増量による、救援コルチコステロイド経口投与の統計学的に有意な減少はみられなかった。喘息増悪発現時のICS用量増量の有効性を(特に小児を対象として)評価するため、より多くの研究が必要である。

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背景: 

喘息増悪の初期治療の手引きとなる文書には、伝統的に治療の第1ステップのひとつとして吸入コルチコステロイド(ICS)の2倍増量を勧めている。

目的: 

喘息増悪発現時の患者開始(patient-initiated)行動計画の一環としてのICS増量と通常維持用量の臨床的有効性を比較する。

検索方法: 

CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、CINAHLの検索から導いたCochrane Airways Group Specialised Register(最終検索日2009年10月)を検索し、呼吸器雑誌や会議抄録をハンドサーチした。

選択基準: 

維持用量ICS投与下で持続性喘息がある小児または成人を対象として、喘息増悪の在宅管理におけるICSの1日投与量増量の戦略と維持投与量の継続戦略を比較したランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に試験を選択し、質を評価し、データを抽出した。更なる情報を求めてRCTの著者に連絡を取った。

主な結果: 

軽症~中等度の喘息がある患者1250例(小児28例、成人1,222例)を対象とした5件のRCT(並行群間試験4件、クロスオーバー試験1件)を選択した。ベースラインICS平均1日用量はクロロフルオロカーボンを噴霧剤とする(CFC)ジプロピオン酸ベクロメタゾン相当で555 mcg(範囲200 mcg~795 mcg)であり、増量後ICS平均1日用量は1520 mcg(範囲1000 mcg~2075 mcg)であった。1080例の患者を包含する成人対象の3件の並行群間研究(2倍増量2件、4倍増量1件;平均到達1日用量1695 mcg、範囲1420~2075 mcg)が主要アウトカムにデータを提供した。ICS増量群にランダム化された場合、安定維持用量群にランダム化された場合と比較して、コルチコステロイド経口投与の必要性の有意な減少はなかった(OR 0.85、95%CI 0.58~1.26)。ICS増量戦略に関連する重大でない有害事象の全体リスクに有意はなかったが、信頼区間が広かったので、確定的な結論を導けない。重度の有害事象は報告されなかった。

訳注: 

監  訳: 尹 忠秀,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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