心源性ショックを合併した心筋梗塞に対する大動脈内バルーンパンピング(IABP)

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著者の結論: 

入手可能なエビデンスでは、IABPは血行力学に有益な効果があるが、梗塞に関連した心源性ショックにおけるIABPの使用を支持する、信頼性の高いランダム化データはない。

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背景: 

大動脈内バルーンパンピング(IABP)は、急性心筋梗塞による心源性ショック患者に対して現在最もよく使用されている機械的補助装置である。ランダム化比較試験(RCT)によるエビデンスは限られているが、アメリカ心臓協会/米国循環器病学会、欧州循環器病学会の現在のガイドラインでは、非ランダム化試験および登録データと同様に病態生理学的考察に基づいて、梗塞関連の心源性ショック患者において大動脈内バルーンパンピングの使用を強く推奨している。

目的: 

非IABPまたは他の補助装置、ガイドライン遵守した標準治療と比較したIABPの効果を、心源性ショックを合併した急性心筋梗塞患者における死亡率および罹病率に対する有効性および安全性という点で評価すること。

検索方法: 

2010年1月に、日付を制限せず、CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、LILACS、IndMed、KoreaMed、進行中の試験登録、学会の議事録を検索した。参照文献リストをスキャンし、さらなる情報を得るため本分野での専門家に連絡を取った。言語には制約を設けなかった。

選択基準: 

心源性ショック合併心筋梗塞患者についてのランダム化比較試験(RCT)

データ収集と分析: 

公表プロトコルに従ってデータ収集および解析を実施した。5件の試験について個々の患者データが得られ、一つのデータに統合した。主要エンドポイントに対する要約統計量は、ハザード比(HR)およびオッズ比とその95%信頼区間(CI)であった。

主な結果: 

計1,410件の参照文献から6件の適格な研究と2件の進行中の研究を同定した。3件はIABPを標準治療と、3件は経皮的左心補助装置(LVAD)と比較していた。急性心筋梗塞で心源性ショックの患者計190例からのデータをメタアナリシスに含めた。105例がIABPによる治療を受け、85例はコントロールとなった。40例は補助装置なしで治療を受け45例はLVADによる治療を受けた。30日目の全死亡率に対するHRは1.04(95% CI 0.62~1.73)で生存利益に対するエビデンスは得られなかった。生存のはIABP患者、LVAD非施行患者およびLVAD施行患者で同程度であったが、血行動態および装置関連合併症の罹患率は多様な結果を示した。

訳注: 

監  訳: 澤村 匡史,2011.11.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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