虚血性脳卒中に対する幹細胞移植

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著者の結論: 

虚血性脳卒中患者を対象にした幹細胞移植の大規模試験はまだ実施されていないため、この介入が機能アウトカムを改善できるかどうか判断するのは時期尚早である。大規模で適切にデザインされた試験が必要である。

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背景: 

虚血性脳卒中動物モデルでの研究は脳へ移植された幹細胞は機能改善を導くことを示している。しかし、現在までのところ、虚血性脳卒中患者において幹細胞移植が有効であるというエビデンスは不足している。

目的: 

虚血性脳卒中患者を対象として、従来の治療と比較した幹細胞移植の有効性と安全性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(最終検索日2010年2月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2009年第3号)、MEDLINE(1966年から2008年8月まで)、EMBASE(1980年から2008年8月まで)、Science Citation Index(1900年から2008年8月まで)、BIOSIS(1926年から2008年8月まで)を検索した。関連性がある可能性のある会議議事録をハンドサーチし、参考文献リストを選別し、進行中の試験研究登録を検索した(最終検索日2008年11月)。また、当該分野で活動している人や幹細胞製造業者に連絡を取った(最終連絡日2008年12月)。

選択基準: 

あらゆる病期の虚血性脳卒中の患者やコンピュータ断層撮影(CT)か磁気共鳴イメージング(MRI)スキャンにより確認された虚血病変を集積したランダム化比較試験(RCT)を選択した。細胞起源(自家移植、同種移植、異種移植;胚、胎児、成人;脳、他の組織)、細胞投与経路(全身、局所)、用量と関係なく、あらゆるタイプの幹細胞移植を対象とした。主要アウトカムは長期フォローアップ(6カ月以上)後の有効性(機能アウトカムまたは能力障害および自立能力障害の複合アウトカムとして評価)であった。副次的アウトカムは移植後の安全性アウトカム(死亡、神経障害悪化、感染症、腫瘍性転化)であった。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にデータを抽出し、試験の質を評価した。さらなる情報を求めて、研究著者に連絡を取った。

主な結果: 

3件の非常に小規模なRCTを同定した。このメタアナリシスには患者サブグループしか組み入れることができなかったので、2件はまだ分類を待っているところであり、更なる未発表データが必要である。3番目の試験は30例の患者を自家間葉系幹細胞の静脈内移植(10例の参加者)か基準群(20例の参加者)(5例の参加者は、最初介入群にランダム化されたが、治療を拒否し、基準群に割り付けられた)にランダム化し、長期フォローアップ後、治療群において統計学的有意に達しない機能改善を認めた。有害な細胞関連事象は報告されなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2011.3.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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