原発性高血圧に対するセカンドライン治療としての利尿薬の降圧効果

著者の結論: 

セカンドライン薬として投与された場合のサイアザイド系には、ファーストライン薬として追加された場合と同様の用量関連の降圧効果がある。このことは、サイアザイド系の降圧効果は相加的であることを意味する。ループ利尿薬には、推奨初回用量と同用量でサイアザイド系と同様の降圧効果があると考えられる。試験期間が短く、有害事象が報告されていなかったため、本レビューからは、セカンドライン薬として投与された利尿薬の有害作用の発現頻度の良好な推定値は示されなかった。

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背景: 

利尿薬は高血圧に対するファーストライン薬としてだけでなく、セカンドライン薬としても広く処方されている。そのためセカンドライン薬として投与した場合、利尿薬が血圧(BP)、心拍数、有害作用による薬剤中止(WDAE)に及ぼす影響を明らかにすることが肝要である。

目的: 

原発性高血圧の患者を対象にセカンドライン薬として用いた利尿薬療法によってさらに低下した収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)を定量化する。

検索方法: 

CENTRAL(コクラン・ライブラリ2008年第2号)、MEDLINE(1966年~2008年7月)、EMBASE(1988年~2008年7月)ならびに論文および総説の引用参考文献を検索した。

選択基準: 

原発性高血圧の患者を対象に、別のクラスの降圧薬と利尿薬を併用した降圧効果を、各単剤治療(利尿薬を併用しない)効果と比較評価した3週間~12週間にわたる二重盲検ランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立にデータを抽出し、試験の質を評価した。

主な結果: 

高血圧患者15,129例(ベースライン血圧156/101mmHg)を対象に、サイアザイド系利尿薬を評価していた53件の二重盲検RCTを含めた。これらの53件の研究のうち49件(92%)で、サイアザイド系利尿薬としてヒドロクロロチアジドが使用されていた。併用治療群と単剤治療群との間で血圧低下量のを比較することにより、第2の薬剤として用いたサイアザイド系によってさらに低下した血圧低下の値を推定した。セカンドライン薬として製造業者の推奨初回用量と同用量および2倍用量で用いたサイアザイド系はそれぞれ、血圧を6/3mmHgおよび8/4mmHg低下させた。降圧効果は用量に関係していた。効果は、サイアザイド系を単剤として用いた場合に得られる効果と同様であった。ループ利尿薬を評価していた二重盲検RCTが3件でのみ同定された。これらのRCTから、初回用量で約6/3mmHgの降圧効果が示された。

訳注: 

監  訳: 相原 守夫,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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