脳卒中および成人で発症した非進行性脳損傷後の知覚障害に対する非薬物的介入

著者の結論: 

知覚介入が有効であるとの見解を支持または否定する十分なエビデンスがない。標準治療と比較し、長期的な機能アウトカムを評価する、十分に規模が大きな研究を今後実施すべきである。知覚障害の問題を有する患者は、臨床ガイドラインに従って神経リハビリテーションを引き続き受けるべきである。

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背景: 

脳卒中や成人で発症した非進行性脳損傷は知覚を障害し、結果として困難が生じたり他人への依存度が高まったりする。知覚リハビリテーションには、機能訓練、感覚刺激、戦略トレーニング、作業課題の反復などがある。

目的: 

積極的介入をプラセボまたは無治療と比較した、ランダム化6カ月後における日常生活動作(ADL)の改善に関するエビデンスを検討すること。

検索方法: 

Injuries Groupを除くCochrane Stroke GroupおよびCochrane Infectious Diseases Group(2009年5月)の試験登録、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ 2009年、Issue 3)、MEDLINE(1950年~2009年8月)、EMBASE(1980年~2009年8月)、CINAHL(1982年~2009年8月)、PsycINFO(1974年~2009年8月)、REHABDATA、PsycBITE(2009年5月~6月)を検索した。また、試験および研究登録の検索、雑誌のハンドサーチ、参照文献リストの検索を行うとともに、著者と連絡を取った。

選択基準: 

成人脳卒中または後天性脳損傷を対象にしたランダム化比較試験。視野欠損、無視/不注意、失行症は知覚の定義から除外した。

データ収集と分析: 

1名のレビューアが標題、抄録、キーワードが適格であるかどうかを評価した。2名以上のレビューアが独立してデータを抽出した。不明な情報や欠落した情報については連絡先の著者に問い合わせた。

主な結果: 

338例の参加者を対象とし、リハビリテーションのセッティングにある6件の単施設試験を選択した。4件の試験は脳卒中患者のみを対象としていた。すべての試験で感覚刺激を行い、他の介入を実施している場合もあった。典型的な感覚刺激は、作業療法士の補助下で視知覚処理を要する作業課題を練習することであった。課題反復は適用されず、1件の試験でのみ機能訓練が行われていた。いずれの試験からも、ADLスコアの長期的改善に関するデータは得られなかった。解析に適したデータは3件の試験でのみ得られた。3件のうち2件では積極的介入をプラセボ介入と比較していた。介入予定の終了時点でADLスコアのを示すエビデンスは認められなかった。1件の試験では身辺ADLスケールの平均差[95%信頼区間(CI)]は0.9(-1.6~3.5)ポイントで、もう1方の試験では運転試験合格のオッズ比(95%CI)は1.3(0.56~3.1)であり、ともに積極的介入に有利であった。この2つの積極的介入を比較した試験では、レビューしたアウトカムのいずれにおいてもを示すエビデンスは認められなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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