急性虚血性脳卒中の人のアウトカムを改善するための脈絡寧(中国伝統医学の一種)

レビューの論点急性虚血性脳卒中の死亡および依存状態を減らすための治療において、脈絡寧とプラセボまたは無治療の安全性と効果を比較したかった。

背景中国伝統医学の一種である脈絡寧は、その効果が不確定であるにも関わらず、中国で急性虚血性脳卒中の治療に広く用いられている。動物実験および臨床薬理研究では、脈絡寧が血流を促進し、虚血障害を防止し、心臓および脳の組織を保護することが示唆される。故に脈絡寧を用いた治療は、急性虚血性脳卒中の人の治療において、プラセボまたは追加の治療無しよりも優れているか劣っているかを調査するレビューを行った。

研究の特性2014年6月までの試験で、急性虚血性脳卒中の人を治療する脈絡寧に関する1746例の参加者を対象とした21件のランダム化比較試験を対象とした。2件の試験では、治療終了後3カ月間追跡調査したが、他の試験の期間はそれより短く、14~38日であった。対象とした21件の試験のうち、政府機関が1件の資金提供をした。

主要な結果 20件の試験は質が低いと評価した。これらの研究をすべて分析した際、脈絡寧治療群および対照群に有害事象の有意なは認められなかった。脈絡寧は精神衰弱および認知機能を有意に改善した。質が高めと評価された1件の試験は、神経障害、日常の活動、または生活の質において脈絡寧の有意な改善を示すことができなかった。脳卒中後の回復を促す脈絡寧の通常医療で使用することを支持するために必要とされる方法論的質が十分である試験の説得力のあるエビデンスは認められなかった。効果を裏付ける質の高い大規模ランダム化比較試験が必要である。

エビデンスの質対象とした21件のうち20件の試験は、試験デザインの質が低いと評価した。1件の試験は高めの質を認めたが、参加者が少なかった。全般的にエビデンスの質は低かった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD007028.pub3】

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