痔の止血に対する中薬(中医学の薬草療法)(TCMH)の確かなエビデンスは存在しないが、中薬が痔の症状の一部を軽減するという限定されたエビデンスが存在する。

痔は、一般的な肛門周囲の疾患で重症段階に進行すると、血便、肛門周囲の炎症、肛門周囲の静脈脱出または嵌頓を容易に引き起こす。外科手術または低侵襲性治療のほかに、中国では痔の出血に対して多数の患者にさまざまな中薬(中医学の薬草療法)が使用されている。中薬は痔に有効で代替治療の選択肢となる可能性がある。しかし、本レビューの一次調査では、痔の止血に対する中薬の有効性に関して強固なエビデンスは得られなかった。対象となった研究の数が少なく、質も低かった。限定された弱いエビデンスから、Radix Sanguisorbae、Radix Rehmanniae、Fructus Sophoraeなどの中薬が痔の症状の一部を軽減する可能性が示された。短期間軽減される可能性がある症状は、血便および痔核の鬱血などである。メタアナリシスを行って最終的な結論を下すには、標準化された試験をさらに実施する必要がある。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.1.20]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 CD006791 Pub2

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