携帯電話で提供されるプログラムで禁煙をサポートすることは可能か?

背景

喫煙は予防可能な主な死亡原因である。禁煙したい人々をサポートするために携帯電話を用いることができる。本レビューでは、我々はテキストメッセージやスマートフォンアプリを用いて禁煙をサポートするプログラムに着目した。

検索日

2018年10月時点で公開もしくは未公開の研究を検索した。

研究の特性

26件のランダム化比較試験(33000人以上の被験者を含む)を含めた。これらの試験は、テキストメッセージを受け取ったもしくは禁煙を支援するスマートフォンアプリを利用した人々と、これらのプログラムを受けなかった人々の禁煙率を比較するものであった。6ヶ月もしくはそれ以上の喫煙を測定した試験を対象とした。

主要な結果

テキストメッセージのプログラムは禁煙をサポートするのに有効である可能性が示唆された。このプログラムでは、禁煙率を50%から60%増加させた。テキストメッセージのプログラムを最低限のサポートと比較した場合や、他の形態の禁煙サポートに追加した場合にこのような結果が示された。スマートフォンアプリの効果を判断するのに十分なエビデンスはなかった。

エビデンスの質と網羅性

試験のほとんどは質が高いものであった。しかしながら3つの研究では脱落率が高かった。テキストメッセージによる介入の結果に対する信頼度は中程度であるが、試験結果の原因不明の差異や、データが十分でない比較についての問題も存在する。スマートフォンアプリに関する結果に対する信頼度は低く、この分野に関して更なる試験が必要である。

訳注: 

《実施組織》岩見謙太朗 翻訳、清原康介 監訳[2019.11.22]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
《CD006611》

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