脳卒中後の上腕機能を改善するための同時両側トレーニング

著者の結論: 

プラセボか無介入、または、通常ケアと比較した同時両側トレーニングの相対的効果について勧告するには良質なエビデンスが不十分である。両側トレーニングは、通常ケアや他の上肢介入よりも、ADL遂行能力、上肢の機能的運動能力、あるいは運動障害アウトカムに対して有効性が高く(あるいは低く)はないことを示唆するエビデンスを同定した。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

同時両側トレーニング、すなわち、両腕で同じ活動を同時に遂行することは、上腕機能を改善し、障害を軽減するための1つの介入である。

目的: 

脳卒中後の上腕機能改善のための同時両側トレーニングの効果を明らかにすること。

検索方法: 

Cochrane Stroke Trials Register(最終検索日2009年8月)、および、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ 2009年第3号)、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、AMED(2009年8月)を含む10の電子文献目録データベースを検索した。参考文献リストと試験登録も検索した。

選択基準: 

脳卒中後の成人を対象として、同時両側トレーニングという介入を、プラセボか無介入、通常ケア、およびその他の上肢(上腕)介入と比較したランダム化試験主要アウトカムは、日常生活動作(ADL)の遂行能力と上肢の機能的運動能力であった。副次的アウトカムは拡大日常生活運動の遂行能力および上腕運動障害であった。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に抄録を選別し、データを抽出して、試験を評価した。方法論的質の評価を、割りつけの隠蔵化、アウトカム査定者の盲検化、ITT、ベースラインの類似度、および追跡不能に対して行った。

主な結果: 

18件の研究関連性のある参加者549例)を選択し、うち14件(参加者421例)を本解析に選択した(1件は両比較を実施)。これら14件の研究のうち4件は両側トレーニングの効果を通常ケアと比較した。主要アウトカム:ADL遂行能力(標準化平均差(SMD)0.25、95%信頼区間(CI)-0.14~0.63);上腕の機能的運動能力(SMD -0.07、95%CI -0.42~0.28);手の機能的運動能力(SMD -0.04、95%CI -0.50~0.42)に対して、結果は統計学的に有意でなかった。副次的アウトカム:統計学的に有意な結果はなかった。14件の研究のうち11件が両側トレーニングの効果を他の特異的上肢(上腕)介入と比較した。主要アウトカム:ADL遂行能力(SMD -0.25、95%CI -0.57~0.08);上腕の機能的運動能力(SMD -0.20、95%CI -0.49~0.09);手の機能的運動能力(SMD -0.21、95%CI -0.51~0.09)に対して統計学的に有意な結果はなかった。副次的アウトカム:1件の研究が、拡大ADL遂行能力に対して別の上肢介入に有利な統計学的に有意な結果を報告した。運動機能障害アウトカムに対して統計学的に有意なは認められなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2010.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save