関節リウマチに対する食事療法の有効性

関節リウマチ患者に対する食事療法の有効性に関するレビューは、コクラン共同計画の研究者らによって行われた。関連するすべての試験を検索し、他の研究者らによって実施された15件の試験を発見した。それらの結果を以下に要約する。

関節リウマチとは何か、そしてどのような食事療法が試されたか。

関節リウマチは、体の免疫系が関節の内膜を攻撃する疾患である。通常、最初に手足の関節に発症する。関節が腫れ、こわばり、疼痛を伴う。現在のところRAの治療法はないため、治療の目的は、疼痛やこわばりを和らげ、運動能力を改善することである。

症状を改善するため、一部の人々は、さまざまな特別食を用いることによって、食べるものを変えようとした。効果があるかどうかを調べるため、7~10日間何も食べないようにする人々もいる。しかし、通常は特定の食物だけを制限したり増やしたりしようと試みる。最もよく試される食事療法は、菜食またはビーガン食、地中海食、「成分栄養剤」、または除去食である。ビーガン食は、肉、魚、卵および乳製品を含まないが、菜食では卵や牛乳が可能な場合もある。地中海食は通常、少量の肉、多めの魚、多めの果物、野菜そしてオリーブオイルを含む。成分栄養剤は通常、消化しやすくするために分解された栄養素を含む流動食である。除去食は、症状の原因となっている可能性のある食物を見つけるために用いられる。通常、症状を引き起こしていると考える食物を除去し、次に一つずつ食事に加え、どれが症状を引き起こしているかを調べる。

研究が示すもの

食事療法によって、疼痛、こわばりそして運動能力が改善するかどうかは不明である。

むしろ、食事療法は続けることが難しい可能性があり、さらにそのつもりがなくても、これらの食事療法により体重が減少する可能性がある。

特別食を用いる場合、そのつもりがなくても、特別食を用いない場合より3kg(6 1/2ポンド)減少する可能性がある。

著者の結論: 

関節リウマチに対する菜食、地中海食、成分栄養剤および除去食などの食事療法の有効性は、組み入れた試験が、中等度から高度のバイアスのリスクがある小規模、単一試験であったため、依然として不明である。食事療法群における高い脱落率および体重減少は、有害作用可能性を無視できないことを示している。

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背景: 

関節リウマチに用いる特定の食事療法に関連して、どのような利益および不利益が生じる可能性があるのかという問題は、多くの患者および医療提供者にとって重要である。

目的: 

関節リウマチ治療における食事介入の有効性および安全性を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2008年第1号)、MEDLINE、EMBASE、AMED、CINAHLおよび関連する論文の引用文献の一覧表(2008年1月まで)を検索し、組み入れた論文の著者に連絡を取った。

選択基準: 

食事療法の有効性を評価したランダム化比較試験(RCT)または比較臨床試験(CCT)。栄養補助食品の試験(魚油サプリメントなど)は組み入れなかった。

データ収集と分析: 

2名の著者が、組み入れのためにそれぞれ試験を選択し、組み入れた試験の内部妥当性を評価し、データを抽出した。不足している情報を入手するため試験責任医師らに連絡を取った。

主な結果: 

計837名の患者を対象とした、14件のRCTおよび1件のCCTを組み入れた。介入およびアウトカムの異質性、ベースライン時の不均衡および不十分なデータ報告により、全体的な有効性については算出しなかった。中等度のバイアスのリスクがある単一試験では、絶食後の13カ月間の菜食により、疼痛は緩和するが(0~10スケールでの平均差(MD)-1.89、95%信頼区間(CI)-3.62~-0.16)、身体機能または朝のこわばりは、介入後すぐには緩和しないことが明らかになった。中等度のバイアスのリスクがある別の単一試験では、12週間のクレタ島の地中海食により、疼痛は緩和するが(0~100スケールでのMD -14.00、95%CI -23.6~-4.37)、身体機能または朝のこわばりは、介入後すぐには緩和しないことが明らかになった。2件の試験では、4週間の成分栄養剤と普通食とを比較し、疼痛、機能またはこわばりにおける有意なは報告されなかった。データ報告が不十分なため、ビーガン食および除去食の有効性は不明である。あらゆる食事療法と普通食とを比較した場合、食事療法群では対照群と比較し、総脱落が10%と有意に高く(リスク(RD)0.10、95%CI 0.02~0.18)、治療関連脱落が5%と高く(RD 0.05、95% CI -0.03~0.14)そして体重減少が有意に高い(重み付け平均差-3.23、95% CI -4.79~-1.67kg)ことが明らかになった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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