局所進行子宮頸癌を治療するための温熱療法と放射線療法の併用

著者の結論: 

解析のために入手可能な患者数が少なく、方法論的欠陥があり、FIGO分類IIIB期の患者が有意に大きな比率を占めていたため、標準的な放射線療法に温熱療法を加えることの影響に関して、決定的な結論を引き出すことはできない。しかし、入手可能なデータは、局所進行子宮頸癌患者に対しての温熱療法の追加は、グレード3~4の治療関連の急性毒性あるいは遅発性毒性に影響を与えることなく、局所腫瘍コントロールと全生存を改善することを示している。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

温熱療法は、癌細胞を破壊するまたは死滅させるために、体組織を高温に曝露する癌治療の1様式であり、数十年前に臨床腫瘍学の実地に導入された。(主として単施設で得られた)臨床成績が良好であったことから、世界の少数の癌施設においてであるが、臨床的な実施に至った。大規模ランダム化臨床試験(RCT)が十分でないため、局所進行子宮頸癌(LACC)治療における放射線療法の補助療法としての決定的な役割に関して、しっかりした結論は導かれていない。

目的: 

LACCに対する標準的な放射線療法への温熱療法の追加は、(1)局所腫瘍コントロール、(2)生存、(3)治療関連罹患率に影響を与えるか否かを評価する。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(2009年第1号)およびCochrane Gynaecological Cancer Groups Specialised Registerの電子データベース、MEDLINE、EMBASE、試験登録のためのオンラインデータベース、雑誌および会議抄録のハンドサーチ、レビュー、参考文献リスト、専門家への連絡を用いて、発表の有無を問わず、2009年1月までの適格であると思われる試験を同定した。

選択基準: 

LACC患者を対象として、放射線療法単独(RT)と温熱療法と放射線療法の併用療法(RHT)を比較しているRCT。

データ収集と分析: 

1987年から2009年までの6件のRCTの結果が発表された。これらの結果を今回の解析に用いた。

主な結果: 

74%の患者がFIGO分類IIIB期のLACCを有していた。治療アウトカムは併用療法群で有意に良好であった(図4~6)。プールしたデータを解析すると、RHT併用療法後で著効率が有意に高く(相対リスク(RR)0.56;95%信頼区間(CI)0.39~0.79;p<0.001)、局所再発率が有意に低く(ハザード比(HR)0.48;95%CI 0.37~0.63;p<0.001)、全生存(OS)が有意に良好であった(HR 0.67;95%CI 0.45~0.99;p=0.05)。治療関連の急性期(RR 0.99;95%CI 0.30~3.31;p=0.99)または遠隔期(RR 1.01;95%CI 0.44~2.30;p=0.96)のグレード3~4の毒性は両治療間で有意なは観察されなかった。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2010.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save