非弁膜症性心房細動を有し、脳卒中や一過性虚血発作の既往歴のない患者における脳卒中予防のための経口抗凝固療法と抗血小板療法の比較

著者の結論: 

ワルファリン用量調節投与および関連する経口抗凝固薬は、非弁膜症性AF患者に対する脳卒中、後遺症を残す脳卒中およびその他の主要血管イベントを、抗血小板療法に比して約3分の1減少させる。

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背景: 

非弁膜症性心房細動(AF)は、左心耳に由来するうっ血性血栓の塞栓による脳卒中のリスク上昇を伴う。経口抗凝固薬および抗血小板薬はともに、血管イベントに対する高リスク患者のほとんどにおいて脳卒中の予防に有効であることが示されているが、AF 患者におけるほとんどの脳卒中では心塞栓性の機序が疑われていることから、非弁膜症性AF患者において脳卒中の一次予防について別個に検討する価値がある。

目的: 

非弁膜症性AFを有し、脳卒中や一過性虚血発作(TIA)の既往歴のない患者における主な心血管イベントに及ぼす抗血小板療法に対する長期経口抗凝固療法の相対的効果の特徴を明らかにする。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2006年6月)を検索した。また、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2006年第2号)、MEDLINE(1966年~2006年6月)およびEMBASE(1980年~2006年6月)も検索した。未発表および進行中の試験を同定するために、Atrial Fibrillation Collaborationおよびその分野に従事する専門家に問い合わせた。

選択基準: 

慢性非弁膜症性AF患者において、長期(4週間を超える)にわたり用量を調整した経口抗凝固薬治療を抗血小板療法と比較した交絡のない全ランダム化試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立に、対象とする試験を選択し、質を評価し、データを抽出した。異質性の評価を行った後に、Peto 法を用いてオッズ比を統合した。

主な結果: 

患者9598例を含む8件のランダム化試験で、脳卒中またはTIAの既往歴のないAF患者において用量を調整したワルファリンとアスピリン(用量範囲75~325 mg/日)を比較していた。全追跡期間の平均は1.9年/参加者であった。経口抗凝固療法は、全脳卒中(オッズ比(OR)0.68、95%信頼区間(CI)0.54~0.85)、虚血性脳卒中(OR 0.53、95%CI 0.41~0.68)および全身性塞栓症(OR 0.48、95% CI 0.25~0.90)のリスクを低下させた。後遺症を残すまたは致死性のすべての脳卒中(OR 0.71、95% CI 0.59~1.04)および心筋梗塞(OR 0.69、95% CI 0.47~1.01)は、経口抗凝固薬によって実質的に減少したが有意ではなかった。これらの治療による血管死亡率(OR 0.93、95% CI 0.75~1.15)および全死因死亡率(OR 0.99、95% CI 0.83~1.18)は同様であった。経口抗凝固療法によって頭蓋内出血が増加した(OR 1.98、95% CI 1.20~3.28)。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2007.10.5

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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