移動能力障害のある慢性脳卒中患者のための野外での理学療法としての歩行訓練

著者の結論: 

限られたエビデンスは歩行速度や6MWTなどの一元的な変数に対してわずかな利益を示唆しているにすぎないが、慢性脳卒中患者において野外での理学療法としての歩行訓練が歩行機能に利益を与えるかどうかを明らかにするにはエビデンスが不十分であった。これらの所見については、様々なアウトカム指標を用いた大規模で質の高い研究によって再現される必要がある。

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背景: 

野外での歩行訓練は、ほぼあらゆる状況において慢性脳卒中患者のための理学療法の主要な部分を構成している。野外での歩行訓練は理学療法士による観察や関連のある運動を伴う患者の歩行パターンの手がかりに注目しているが、機能的電気刺激や体重支持などの最先端技術による支援は取り入れていない。

目的: 

運動障害のある慢性脳卒中患者の歩行能力に対する野外での理学療法としての歩行訓練の効果を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(最終検索2008年3月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2008年第2号)、MEDLINE(1966年~2008年5月)、EMBASE(1980年~2008年5月)、CINAHL(1982年~2008年5月)、AMED(1985年~2008年3月)、Science Citation Index Expanded(1981年~2008年5月)、ISI Proceedings(Web of Science、1982年~2006年5月)、Physiotherapy Evidence Database(http://www.pedro.org.au/)(2008年5月)、REHABDATA(http://www.naric.com/research/rehab/)(1956年~2008年5月)、http://www.clinicaltrials.gov(2008年5月)、http://www.controlled-trials.com/(2008年5月)およびhttp://www.strokecenter.org/(2008年5月)を検索した。また、関連性のある論文の参考文献リストも検索し、著者および試験研究者にも問い合わせた。

選択基準: 

移動能力障害のある慢性脳卒中患者を対象に野外での理学療法としての歩行訓練をプラセボ介入または無治療と比較しているランダム化比較試験

データ収集と分析: 

対をなすレビューアが独自に試験を選択した。レビューア3名が独自にデータを抽出し、質を評価した。その後追加された情報については、研究著者に問い合わせた。

主な結果: 

参加者499例を含む研究9件を含めた。参加者269例からなる3件の研究から、主要変数である事後の歩行機能に対する利益にエビデンスを見出せなかった。一次元的な歩行能力変数は事後に有意な効果を示した。参加者396例を含む7件の研究に基づいた場合、歩行速度は0.07メートル/秒上昇し(95%信頼区間(CI)0.05~0.10)、さらに参加者181例を含む4件の研究に基づいた場合には、timed up and go(TUG)検査で1.81秒の改善がみられ(95%CI -2.29~-1.33)、6分間歩行テスト(6MWT)では26.06メートル(95%CI 7.14~44.97)の延長した。発表された報告または含まれたすべての研究の私信からは、死亡/障害や有害事象に有意を認めなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2009.11.16

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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