慢性腎臓病患者における骨疾患の予防および治療のためのリン吸着薬

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著者の結論: 

情報を入手できたリン吸着薬はプラセボと比較して、リン濃度を低下することが示されている。しかしながら、CKDにおける総死亡率や心血管系のエンドポイントなどの患者レベルのアウトカムに関して、新規の非カルシウム含有リン吸着薬のカルシウム含有リン吸着薬に対する比較優位性を証明するには、データが不十分である。

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背景: 

リン吸着薬は、慢性腎臓病(CKD)患者において、血清リン濃度を低下させる目的で広く使用されているが、これらの薬のCKDへの影響については未だ議論がある。

目的: 

ステージ3から5DのCKDにおいて、種々のリン吸着薬による生化学的および患者レベルのエンドポイントに対する効果を評価すること。

検索方法: 

2010年3月にMEDLINE、EMBASE、Cochrane Renal Group's Specialised Register、およびCENTRALで関連する研究を検索した。

選択基準: 

CKDの成人における種々のリン吸着薬の効果を評価したランダム化比較試験(RCT)または準RCT。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に検索結果を評価し、データを抽出した。結果については、連続アウトカムを平均差(MD)、2値アウトカムをリスク比(RR)でランダム効果モデルを用いて95%信頼区間(CI)と共に表した。

主な結果: 

60例の研究(参加者7,631例)を選択した。塩酸セベラマーはカルシウム含有製剤と比較して、総死亡率(研究10例、参加者3,079例:RR 0.73、95%CI 0.46~1.16)、および血清カルシウム・リン(Ca x P)積による血清カルシウム値について、有意な低下は認められなかった。カルシウム含有製剤は塩酸セベラマーと比較して、血清リン値(研究16例、参加者3,126例:MD 0.23mg/dL、95%CI 0.04~0.42)および副甲状腺ホルモン(PTH)(研究12例、参加者2,551例:MD 56mg/mL、95%CI 26~84)で有意に低下したが、高カルシウム血症のリスクが有意に上昇した(研究12例、参加者1,144例:RR 0.45、95%CI 0.35~0.59)。塩酸セベラマーはカルシウム塩と比較して、消化管系のイベントのリスクが有意に上昇した(研究5例、参加者498例:RR 1.58、95%CI 1.11~2.25)。ランタンはカルシウム含有製剤と比較して、血清カルシウム(研究2例、参加者122例:MD -0.30mg/dL、95%CI -0.64~-0.25)、およびカルシウム・リン積が有意に低下したが、血清リン値の低下は認められなかった。酢酸カルシウムの生化学的エンドポイントに対する効果は、炭酸カルシウムと類似していた。クエン酸第二鉄、コレスチラン、およびナイアシンアミドなどの新薬によるリン濃度低下効果が報告されている研究は、数例のみであった。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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