脳卒中後の不全片麻痺患者の上肢障害を治療するための精神的訓練

著者の結論: 

MPと他のリハビリテーション治療の併用がMPを併用しない他のリハビリテーション治療と比較して、脳卒中後の上肢機能の改善に有益と示唆するエビデンスは限定される。運動機能回復および運動の質の改善に関するエビデンスは明らかになっていない。アウトカム改善に必要な理想的なMP実施量に関する明らかなパターンはない。脳卒中直後のMPの効果、アウトカムに影響を与えるのに必要なMP実施量、長期にわたって効果が維持されるかどうかを評価するために、さらなる試験が必要である。多くの進行中の大規模試験が、まもなくエビデンスを改善するだろう。

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背景: 

上肢の作動制限は脳卒中患者によくみられる所見である。精神的訓練(MP)は動作の認知的リハーサルを行い、動作のパフォーマンスを改善する訓練方法である。

目的: 

MPが、脳卒中の影響を受けた患者における上肢リハビリテーションのアウトカムを改善するかどうかを判定すること。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2010年11月)、 Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2009年11月)、PubMed(1965年~2009年11月)、EMBASE(1980年~2009年11月)、CINAHL(1982年~2009年11月)、PsycINFO(1872年~2009年11月)、Scopus(1996年~2009年11月)、Web of Science(1955年~2009年11月)、Physiotherapy Evidence Database(PEDro)、CIRRIE、REHABDATA、進行中の試験登録を検索するとともに、関連性のある雑誌のハンドサーチと参照文献リストの検索も行った。

選択基準: 

上肢に機能障害を有する脳卒中成人患者を対象としたランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが、対象となる試験を独立して選択した。主要アウトカムは、適切な課題に対して上肢を使用できる能力(すなわち、上肢機能)とした。

主な結果: 

119例の参加者を対象とする6件の研究を選択した。MPに他の治療を併用した場合と他の治療単独の場合を比較した研究を統合した。精神的訓練と他の治療の併用は他の治療単独と比較して、上肢機能を改善する効果が高いようである[Z = 3.48、P = 0.0005、標準化平均差(SMD)1.37、95%信頼区間(CI)0.60~2.15]。脳卒中発症からの期間とMP実施量に基づいてサブグループ解析を試みたが、各群の患者数が少なかった。エビデンスの質を評価したところ、PEDroスケールは10のうち6~9であった。GRADEスコアは中等度と判定した。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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