糖尿病の妊婦に対する持続インスリン皮下注入療法と頻回インスリン注射療法との比較

この日本語訳は最新版ではない。英語の最新版をご覧になるにはここをクリックしてください。
著者の結論: 

糖尿病の妊婦について、他の投与法よりも特定のインスリン投与法の使用を支持するエビデンスはほとんどない。メタアナリシスに適した試験が少数であること、選択された女性が少数であること、および試験対象集団の一般化可能性に疑問があることから、利用できるデータはほとんどない。利用できたデータからは結論を導くことはできない。適切にデザインされたランダム化試験が必要である。試験は、糖尿病の女性および乳児についての重要なアウトカムに対するCSIIとMDIとの効果比較の評価に足る十分な検出力があるべきである。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

糖尿病は正常な生理的濃度を上回る血糖値の上昇を引き起こし、治療が行わなければ心血管系および腎臓系を含む多くの器官系に障害が生じるおそれがある。妊娠ではインスリン作用に対する生理的抵抗性に至ることから、妊娠前から糖尿病を有する女性ではインスリン必要量が増加する。インスリン投与には複数の方法がある。従来、インスリンは皮下投与されており、正式には強化従来療法と呼ばれていたが、現在では通常、頻回注射療法(MDI)と呼ばれている。これに代わるインスリン投与法が、持続インスリン皮下注入療法(CSII)である。

目的: 

糖尿病の妊婦に対するCSIIとMDIを比較すること。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2011年7月31日)。

選択基準: 

糖尿病の妊婦に対するCSIIとMDIを比較したランダム化試験

データ収集と分析: 

3名のレビューアが別々に研究を評価し、2名のレビューアがデータを抽出した。不一致については、第3のレビューアとの議論を通じて解決した。

主な結果: 

女性153例および妊娠154件に関する5件の試験を選択した。 巨大児(出生体重が4,000 g超)[リスク比(RR)3.20、95%信頼区間(CI)0.14~72.62、2試験、妊娠61件)および手術を伴う出産、報告されたアウトカムは帝王切開出産のみ(RR 1.09、95%CI 0.66~1.77、3試験、妊娠71件)のいずれの主要アウトカムにおいても有意は認められなかった。 CSIIではMDIと比較して、平均出生体重に増加傾向が認められた[平均差(MD)220.56 g, 95%CI -2.09 g~443.20 g、2試験、妊娠61件、P = 0.05]。しかしながら、巨大児の割合については信頼区間が広く、有意が認められないことから、効果不確実性および臨床的意義のないであることが示唆される。測定されたその他のアウトカムに有意は認められず、メタアナリシスに適した試験が少数であったことおよび選択された参加者数が少なかったことを反映していると考えられた。周産期死亡率(RR 2.33、95%CI 0.38~14.32、3試験、妊娠71件)、胎児奇形(RR 1.07、95%CI 0.07~15.54、2試験、妊娠61件)、母体低血糖(RR 3.00、95%CI 0.35~25.87、2試験、妊娠61件)、母体高血糖(RR 7.00、95%CI 0.39~125.44、2試験、妊娠61件)、および胎児発育遅延(平均RR 1.40、95%CI 0.10~18.71、2試験、妊娠61件、ランダム効果解析、T2 = 1.10、I2 = 31%)における有意は認められなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.2.7

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Share/Save