統合失調症または統合失調症様疾患に対するドラマ療法 

ドラマ療法は、統合失調症または統合失調症様疾患患者のための補助療法としての価値が提唱される創造的な療法の1つである。ランダム研究は統合失調症領域では問題なく実施されたが、研究報告が不十分であるため、報告書から結論は得られなかった。したがって、統合失調症におけるドラマ療法の有用性または有害性は不明であり、統合失調症または統合失調症様疾患に対するドラマ療法の真の価値を確認するため、さらに大規模で高品質な研究が必要とされる。

著者の結論: 

この領域ではランダム研究は可能である。統合失調症や統合失調症様疾患に対するドラマ療法の使用は、その有益性または有害性が不明確であるため、引き続き評価されるべきである。

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背景: 

統合失調症または統合失調症様疾患の主な治療法は薬剤治療であるが、多くの患者が薬剤治療にも関わらず症状を継続して発現する(Johnstone、1998年)。薬剤治療に加えて、ドラマ療法などの創造的な療法が有用と判明する可能性がある。ドラマ療法は、自発性と創造性を促進する1つの治療法である。感情表現を促進することができるが、必ずしも被験者が自分の健康状態や心理的な考え方の洞察が必要となるわけでない。

目的: 

統合失調症の補助的治療としてのドラマ療法および関連する治療法の効果を、標準的療法や他の心理社会的介入との比較をレビューする。

検索方法: 

Cochrane Schizophrenia Group's Register(2006年10月)、ハンドサーチした参考文献リスト、ハンドサーチしたドラマ療法(British Association of Dramatherapistsの論文)、芸術心理療法(Arts in Psychotherapy)を検索し、関係する著者に連絡した。

選択基準: 

ドラマ療法、心理ドラマ、また関連性のある統合失調症の標準的療法または他の心理社会的介入を比較した、すべてのランダム化比較試験を選択した。

データ収集と分析: 

確実な方法で選択し、品質評価した上で研究からデータを抽出した。研究参加者の50%以上で追跡不能となった研究群のあるデータは除外した。継続的なアウトカムについて、重み付け平均差およびその95%信頼区間を求めた。二値アウトカムについては、固定効果リスク比(RR)、その95%信頼区間(CI)および治療必要症例数(NNT)を求めた。

主な結果: 

この検索では183件の参考文献が確認されたものの、5件(合計n=210)の試験のみが選択基準を満たした。すべての研究は入院患者集団を対象として、標準的な入院治療の介入と比較された。ある研究では介入のようなドラマ療法があり、1件はロールプレイング、1件は社会ドラマ、もう2件は心理ドラマを用いた。選択した研究のうち2件は中国語であり、中国での心理ドラマと実際に入院した精神医学ケアが、他に選択した研究のドラマによる介入および入院治療と比較可能かを知ることは困難である。入院患者の治療を継続させる目的のドラマ療法介入の価値について、重要な知見認められていない。報告が不十分であるため、5件の研究から得られたデータはほとんど使用できず、統合失調症入院患者のドラマ療法の有害性または有益性に関する決定的な知見は得られなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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