永久歯の歯内療法における即日処置と数日にわたる処置の比較

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著者の結論: 

X線上による成功という点においては,即日RoCTと数日にわたるRoCTに有意なはなかった。ほとんどの短期的,長期的な合併症の頻度は即日RoCTと数日にわたるRoCTでも変わりはなかったが,即日RoCTのほうが腫脹を起こすことが少し多く,鎮痛薬の使用に関しては有意に多かった。

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背景: 

根管治療(RoCT),歯内療法は歯科における一般的な治療,処置のひとつである。RoCTの主な適応はう蝕の進行に応じて発現した不可逆性の歯髄炎や壊死歯髄であり,歯の亀裂や破折,外傷などである。周囲歯周組織のX線上での兆候が消え,臨床症状が無くなることでRoCTは成功したとされる。RoCTの成功はその術式のみならず,歯の術前の状態に関する様々な要因に影響される。

目的: 

歯内療法にまつわる問題による抜歯とX線的評価によって,即日RoCTと数日にわたるRoCTの比較をすること。即日RoCTと数日にわたるRoCTにおける短期的,長期的合併症を評価すること。

検索方法: 

本レビューでは,Cochrane Oral Health Group's Trials Register,CENTRAL,MEDLINE,EMBASEを検索した。またハンドサーチを行い,著明な歯科医学関連雑誌を調べた。組み入れた論文の参考文献は全て目を通した。歯内療法専門家にはeメールにて連絡をとった。検索時,出版言語に対する制限は設けなかった。最後に検索を行ったのは2007年3月6日である。

選択基準: 

RoCTを必要とする患者を被験者とするランダム化比較試験(RCT),準ランダム化比較試験(quasi-RCT)のみを選択した。外科的歯内療法を行ったものは除外した。アウトカムは歯内療法にまつわる問題による抜歯数と1年以上経過後のX線的評価(根尖周囲の透過像の消失),術後疼痛が無いこと,鎮痛薬の使用,腫脹,瘻孔の形成とした。

データ収集と分析: 

データは特定の抽出様式を用いて集めだした。組み入れた論文の妥当性は割付の隠蔽化,ブラインド化,脱落者数をもとに判定した。データは計算にてリスク比を求めることによって評価した。妥当性,関連性ともに高いデータが集められた際にはメタアナリシスを行った。

主な結果: 

12のRCTが採用された。バイアスを含む可能性が低いものが4つ,中等度のものが4つ,バイアスを含む可能性が高いものが4つであった。X線上での成功や術後疼痛の有無に関しては,即日RoCTと数日にわたるRoCTには有意なはなかった。即日RoCT群の方が,鎮痛薬の使用頻度や腫脹を起こす頻度は高かったが,腫脹に関しては有意を示すには至らなかった。抜歯や瘻孔の形成を一次アウトカムにしたものは見つけられなかった。

訳注: 

監  訳: 蓮池 聡,豊島 義博,JCOHR,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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