早産児の死亡率低下と有害な神経発達アウトカム予防のためのヨウ素補充

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早産児の食事へのヨウ素補充が有効であることを示すエビデンスは、今のところ不十分である。ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に不可欠である。甲状腺ホルモンは新生児の脳の発達に重要である。生後数週間の早産児では、しばしばヨウ素濃度や甲状腺ホルモン値が低い。これは、食事に含まれるヨウ素の不足が一因となることがある。我々は、早産児にヨウ素を補充する効果について評価した1件の試験を見出した。この研究では、ヨウ素補充が甲状腺ホルモン値を増加させることを示すエビデンスはみられなかった。試験では、ヨウ素補充が脳の発達に与える影響については評価していなかった。さらなる試験が必要である。

著者の結論: 

早産児へのヨウ素補充(胎児の累積率に匹敵する)が早産児の罹病や死亡を防ぐのかを判断するには、今のところデータが不十分である。将来的には、ヨウ素補充に関するランダム化比較試験では、一過性の低サイロキシン血症のリスクが最も高い超早産児や極低出生体重児に重点をおくべきである。こうした試験では、呼吸器系の罹病率や長期的な神経発達など臨床的に重要なアウトカムに対するヨウ素補充の影響を評価することを目的とすべきである。

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背景: 

非経口栄養剤、調整粉乳、および母乳に含まれるヨウ素は、早産児の推奨摂取量を満たすには不十分である。ヨウ素欠乏症は早産児の一過性低サイロキシン血症を悪化させることがあり、呼吸器系や神経学的な有害アウトカムを伴うことがある。

目的: 

食事へのヨウ素補充が早産児の死亡率や罹病率を低下させることを示すランダム化比較試験のエビデンスを評価すること。

検索方法: 

標準的な検索方法で、Cochrane Neonatal Review Groupを検索した。Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ、2005年第4号)、MEDLINE(1966年~2005年11月)、EMBASE(1980年~2005年11月)、CINAHL(1982年~2005年11月)、会議の議事録、および過去のレビューを検索した。

選択基準: 

早産児を対象に30マイクログラム/kg/日を超えるヨウ素の経腸補充または非経口補充と、プラセボ、非補充を比較したランダム化または準ランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアがCochrane Neonatal Review Groupの標準的な方法で試験の質をそれぞれ評価し、データを抽出し、相対リスク、リスク、重み付け平均差によりデータを作成した。本レビューの主要アウトカムは新生児死亡率、退院前の死亡、および重度の神経発達障害など長期的な神経発達アウトカムとした。

主な結果: 

1件のランダム化比較試験(N=121)のみが本レビューの適格基準(Rogahn2000)を満たした。妊娠33週前に生まれた乳児を対象としたが、出生体重が1000グラムを超える乳児が大半であった。この試験の主な目的は、甲状腺機能に対するヨウ素補充の影響を評価することであった。治験責任医師は、受胎後週数が40週までの早産児の血漿サイロキシン(遊離と総)、トリヨードサイロニン、甲状腺刺激ホルモンについて統計学的に有意な影響を検出しなかった。1例の乳児が死亡したため、試験は死亡率に対する影響について検出力不足となった。試験では、神経発達の罹病率に対する本介入の影響を評価しなかった。慢性肺疾患の罹患率に統計学的な有意はなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
 CD005253 Pub2

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