未熟児・低出生体重児の間欠的なボーラス経管栄養に対するプッシュ注入と重力による注入との比較

未熟児(37週前に生まれた乳児)は吸う、飲み込む、呼吸するという動作を同時にうまく行えないので、経管栄養が必要になります。経管栄養では、鼻または口から胃に通した管からミルクを間欠的に投与します。間欠的なボーラスミルク注入では、注射器を使って乳児の胃にミルクを緩徐に投与します(プッシュ法)。代わりの方法として、管に付けた注射器にミルクを注ぎ、重力により滴下させる方法もあります(重力法)。未熟児や低出生体重児(2500 g未満)における間欠的な経管栄養でプッシュ法と重力法を比較しているRCTからは、診療行為の情報となるようなエビデンスは不十分なものしか得られませんでした。

著者の結論: 

本レビューには、1件の小規模なクロスオーバー研究しか選択されなかった。経管栄養法としていずれかの方法を推奨するエビデンスは不十分であった。早産児でのボーラス経管栄養法としてプッシュ法の利益と有害性を重力法と比較して評価するため、ランダム化試験が必要である。乳児を出生時在胎週数(32週以下、33週後)、出生体重(1500 g以下、超)、呼吸補助(換気あり、なし)により層別化すべきであり、本レビューで略述した主要アウトカム(経管栄養による全量摂取の確立までの時間、および栄養法に対する不耐性)を評価するのに十分なサンプル・サイズにすべきである。

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背景: 

小さく状態の悪い未熟児の多くは、吸啜、嚥下、呼吸を協調させることができず経管栄養を必要とする。経管栄養では、鼻または口から胃に通した管からミルクを投与する。間欠的なボーラスミルク注入では、注射器を使って乳児の胃にミルクを緩徐に投与する(プッシュ法)。代替法として、管に付けた注射器にミルクを注ぎ、重力により滴下させる方法もある(重力法)。

目的: 

間欠的なボーラスミルク注入を要する未熟児、低出生体重児において有害事象が増加することなく、重力法に比べてプッシュ法の使用により、全量の経管栄養が早期に確立するか明らかにすること。

検索方法: 

以下の電子的データベースを検索してランダム化比較試験(RCT)または準RCTを同定した:Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ2012年第5号)、MEDLINE(1966~2012年5月)、EMBASE(1980~2012年5月)、CINAHL(1982~2012年5月)。Cochrane Neonatal Review Groupの標準的検索法を使用した。

選択基準: 

未熟児、低出生体重児、またはその両者における間欠的なボーラスミルク注入でプッシュ法と重力法を比較しているRCTまたは準RCT

データ収集と分析: 

ランダム化およびアウトカム測定の盲検化に関して試験の方法を評価した。カテゴリーデータにはリスク比(RR)、相対リスク減少、リスク(RD)および治療必要数(NNT)を、連続データには平均、標準偏および重み付け平均差(WMD)を用い、固定効果モデルによる投与効果を評価した。無呼吸、徐脈、パルスオキシメータ酸素飽和度(SpO2)低下の状況など、計数データとして測定したアウトカムをイベント率および率比を比べて解析した。統合結果の適切性を明らかにするため、異質性を評価した。

主な結果: 

1件の小規模なクロスオーバー試験のみが本レビューの選択基準を満たし、そのためいずれの投与アウトカムについてもメタアナリシスは実施しなかった。Symon(1994年)の報告では、プッシュ経管栄養後10~30分の時点で呼吸数が増加する傾向がみられたが、使用法にかかわらず栄養法に要した時間に統計学的はなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2014.1.28

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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