高血圧の患者において血圧コントロールを改善するために用いられる介入

著者の結論: 

一般医診療所や地域社会に密着したクリニックは高血圧患者の定期的フォローアップとレビューの組織化されたシステムを有する必要がある。患者が目標血圧値に達しない場合、精力的な段階的ケアアプローチの方法により降圧薬治療を行うべきである。自己モニタリングや予約注意喚起システムは、血圧コントロールを改善するための上述の戦略に対する有用な補助手段であると思われるが、更なる評価を必要とする。

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背景: 

地域社会における高血圧の患者はしばしば治療目標を満たすことができない。この状態は「コントロール不良」高血圧と呼ばれる。高血圧患者に対するケアを組織化し提供する最適な方法はまだ明確に同定されていない。

目的: 

高血圧の患者において血圧コントロールを改善するための介入の有効性を明らかにする。高血圧患者のフォローアップ改善に対する注意換気システムの有効性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Controlled Trials Register(CCTR)およびMedlineのすべての論文(あらゆる年)および1980年1月からのEmbaseを、言語を制限せずに検索した。

選択基準: 

高血圧患者を対象に、以下の介入を評価したランダム化比較試験(RCT):(1)自己モニタリング(2)患者向けの教育的介入(3)医療従事者向けの教育的介入(4)医療従事者(看護師や薬剤師)主導ケア(5)ケア提供改善を目指した組織介入(6)予約注意喚起システム評価したアウトカムは以下のとおりであった:(1)平均収縮期血圧と拡張期血圧(2)血圧コントロール(3)クリニックでフォローアップされた患者の割合

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に重複してデータを抽出し、コクラン・ハンドブックに概説されている基準に従って、各々の研究を評価した。

主な結果: 

72件のRCTが選択基準を満たした。選択した研究の方法論的な質は様々であった。単一の大規模RCT-Hypertension Detection and Follow-Up studyにおいて、精力的な降圧薬治療と連結した定期的レビューの組織化されたシステムは、登録時血圧の3層に対して、収縮期血圧(重み付け平均差(WMD)-8.0mmHg、95%CI:-8.8~-7.2mmHg)および拡張期血圧(WMD -4.3mmHg、95%CI:-4.7~-3.9mmHg)を低下させ、5年フォローアップ時の総死亡率を低下させることが示された(6.4%および7.8%、差1.4%)。他の介入の効果は様々であった。自己モニタリングにより、収縮期血圧(WMD -2.5mmHg、95%CI:-3.7~-1.3mmHg)および拡張期血圧(WMD -1.8mmHg、95%CI:-2.4~-1.2mmHg)が正味で適度に低下した。患者向けあるいは医療従事者向けの教育的介入のRCTは異質性であったが、この介入だけでは血圧の大きな正味の低下を生じる可能性は低いようであった。看護師や薬剤師が主導するケアは有望な方法であると思われ、大部分のRCTで血圧コントロールおよび平均収縮期血圧と拡張期血圧が改善したが、これら介入については更なる評価が必要である。予約注意喚起システムも、異質性と試験数が少数であったことから更なる評価を必要とするが、大部分の試験は、フォローアップのための受診患者の割合を高め(オッズ比0.41、95%CI 0.32~0.51)、そして2件の小規模試験では血圧コントロールの改善にもつながった。オッズ比は介入に有利な0.54(95%CI 0.41~0.73)であった。

訳注: 

監  訳: 相原 守夫,2010.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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