非アルコール性脂肪肝疾患患者および/または脂肪性肝炎患者でのプロバイオティクスの使用に関して是非を判断するエビデンスは得られていない。

プロバイオティクスは、肝毒性酸化傷害の潜在的原因として影響を及ぼす可能性がある腸内細菌叢を調整する役割があることから、非アルコール性脂肪肝疾患患者および非アルコール性脂肪性肝炎患者での治療の選択肢として提案されている。このレビューでは、非アルコール性脂肪肝疾患および非アルコール性脂肪性肝炎でのプロバイオティクスについて実施されたランダム化臨床試験は確認されていない。パイロット研究の結果により有望であると考えられる場合でも、非アルコール性脂肪肝疾患および非アルコール性脂肪性肝炎でのプロバイオティクス療法の臨床的意義を評価するためにはランダム化臨床試験の実施が必要である。

著者の結論: 

ランダム化臨床試験が特定されなかったことから、非アルコール性脂肪肝疾患および非アルコール性脂肪性肝炎患者の治療を目的としたプロバイオティクスについての是非について判断することは不可能である。

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背景: 

非アルコール性脂肪肝疾患は、単純性脂肪肝から非アルコール性脂肪性肝炎、肝線維症および肝硬変までの一連の病態で構成される。プロバイオティクスは、腸肝軸に影響する可能性のある腸内細菌叢に対する調整作用があることから、治療法として提案されている。

目的: 

非アルコール性脂肪肝疾患および/または脂肪性肝炎の治療を目的としたプロバイオティクスの有用性および有害作用について評価すること。

検索方法: 

The Cochrane Library(2006年第2号)のThe Cochrane Hepato-Biliary Group Controlled Trials Register(2006年7月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE(1966年~2006年5月)、およびEMBASE(1980年~2006年5月)を検索した。言語の制限は設けなかった。

選択基準: 

非アルコール性脂肪肝疾患患者を対象に、プロバイオティック治療をあらゆる投与量、投与期間および投与経路で実施し、介入の実施なし、プラセボ投与またはその他の介入と比較評価したランダム化臨床試験。非アルコール性脂肪肝疾患の診断は、アルコール摂取歴が最小限または全くないこと、肝脂肪症および/または肝臓損傷の組織学的エビデンスを示す造影検査結果、および他の肝脂肪症の病因を排除することで行った。

データ収集と分析: 

データを2回抽出し、その結果をITT解析する計画を立てた。

主な結果: 

特定されたランダム化臨床試験はなかった。2件のパイロット非ランダム化試験で得られた暫定的データより、プロバイオティクスは忍容性が良好で、また従来の肝機能試験を改善し、過酸化脂質マーカーを減少させる可能性があることが示唆されている。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.26]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
CD005165 Pub2

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