心血管疾患予防のためのクロピドグレルとアスピリン併用とアスピリン単独の比較

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著者の結論: 

得られたエビデンスから、クロピドグレルとアスピリンの併用は、アスピリン単独に比較して心血管イベントのリスクが低く、出血のリスクが高いことが示されている。非ST上昇型急性冠動脈症候群の患者に限れば、利益が有害性を上回っている。

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背景: 

アスピリンは心血管疾患患者に対する選択的予防薬としての抗血小板薬である。アスピリンに第2の抗血小板薬を追加することによって、高リスクの人ならびに既に心血管疾患が確定している人にとって、追加的利益が得られる可能性がある。

目的: 

心血管疾患が高リスクの人ならびに既に心血管疾患が確定している人における心血管イベントを予防する目的で、標準的な長期アスピリン療法にクロピドグレルを追加した場合の利益および有害性を定量化すること。

検索方法: 

CENTRAL(2009年、Issue 3)、MEDLINE(2002年~2009年9月)、EMBASE(2002年~2009年9月)を検索し、更新を行った。

選択基準: 

冠動脈疾患患者、虚血性脳血管障害患者、末梢動脈疾患患者、アテローム血栓症高リスク患者を対象に、長期使用のアスピリンとクロピドグレルの併用を、アスピリンとプラセボの併用またはアスピリン単独と比較したすべてのランダム化比較試験を選択した。

データ収集と分析: 

死亡率、非致死的な心筋梗塞、非致死的な脳卒中、不安定狭心症、心不全、血行再建術、大量出血と少量出血、およびすべての有害事象についてのデータを収集した。全体的な治療効果は、固定効果モデル(Mantel-Haenszel)を用いた統合オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)によって推定した。

主な結果: 

検索の更新によって新たな研究は同定されなかった。CHARISMA研究とCURE研究の合計2件のRCTが見つかった。CURE研究では、非ST上昇型急性冠動脈症候群を最近発症した患者のみを登録していた。クロピドグレルとアスピリンの併用は、プラセボとアスピリンの併用に比較して心血管イベントのリスクが低く(OR:0.87、95%CI 0.81~0.94、P < 0.01)、大量出血のリスクが高かった(OR:1.34、95%CI 1.14~1.57、P < 0.01)。全体的に、併用療法で治療を行った患者1,000例につき13件の心血管イベントが予防されることが予測されたが、一方で6件の大量出血が起きることが予測された。CURE試験では、治療を行った患者1,000例につき23件のイベントが予防でき、10件の大量出血が起きると予測された。CHARISMA試験では、治療を行った患者1,000例につき5件の心血管イベントが予防でき、3件の大量出血が起きると予測された。

訳注: 

監  訳: 澤村 匡史,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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