禁煙のための「クイット・アンド・ウィン・コンテスト(quit and win contests

著者の結論: 

地域を限定した「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」は地域全体の禁煙率を上げるようであるが、しかしながらコンテストが集団全体に与える影響は比較的小さいと考えられる。参加者が禁煙を偽る度合いによって、コンテストの妥当性は左右されるかもしれない。国際的なコンテストは特に発展途上国において効果がありそうだが、よく計画された比較研究がないため確実な結論は導けていない。

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背景: 

「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」は1980年代にMinnesota Heart Health Programにおいて作られ、それ以来、集団を対象とした禁煙介入プログラムとして、地域、国、さらに国際的なレベルで広く行われてきた。 1994年から国際的な規模でのコンテストが2年おきに80か国相当の国々で開催されている。

目的: 

「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」が、あるコミュニティに対して通常の禁煙率よりも、長期間の禁煙率をもたらすかどうかを見極めることを目的とする。このようなプログラムの影響力を評価するために、私たちは禁煙率に対する、参加者個人の要因と、集団という要因の両方が、コンテストに参加した集団へ与える影響を考慮に入れて評価した。

検索方法: 

Cochrane Tobacco Addiction Group Specialized Registerを検索し、さらにMEDLINE、EMBASE、CINAHL、PsycINFO、Google Scholarを検索した。検索語には、competition*, quit and win, quit to win, contest*, prize*を含めた。最終検索は2007年11月。

選択基準: 

個人、もしくは集団を介入かコントロールの状態に振り分けたランダム化比較試験を検討した。ベースラインと介入後を対象にした比較試験も検討した。

データ収集と分析: 

データは1人の著者によって抽出されて、もう1人の著者が確認した。追加のデータが必要な部分に関しては研究の著者にコンタクトをとった。主要アウトカム指標は介入スタートから少なくとも6か月間の禁煙であった。各トライアルの最も厳密な定義を採用することとし、そして生物化学的に証明された禁煙率が選ばれた。対象に含まれた各研究と、科学的に証明を行った少数の研究などに不均一性があったため、メタアナリシスを行わない方針とした。

主な結果: 

5つの研究が対象基準に合致した。そのうち3つの研究では、12か月後の評価で「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」群がコントロール群に比べて顕著に高い禁煙率を示した(8%から20%)。しかしながら、集団全体へのインパクトについて調べた研究では、500名中1人以下がコンテストのために禁煙できたという結果であり、地域全体の喫煙率に対する効果は小さいことが判明した。禁煙の虚偽申告を調べた研究では、虚偽申告は高い割合を占めることが判明した。「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」は特に発展途上国で効果があるという調査結果が報告されているが、比較研究がないことから、このレビューでは確実な結論は出せない。

訳注: 

監  訳: 高垣 伸匡,中村 正和,JCOHR,2010.7.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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