早産児の退院後における栄養強化調合乳と母乳の比較

早産児は退院する頃に満期産児よりもかなり小さいことがしばしばある。本レビューでは、母乳ではなく栄養強化した調整粉乳を与えた乳児では、成長率や発達に関する利益が増加することを示すエビデンスを探した。本介入に関する試験はなかった。そのような試験の実施を早産児の母親が許容するのかはわからない。

著者の結論: 

ランダム化比較試験のデータがなく、退院後の早産児に栄養強化した調整粉乳を与えた場合の成長と発達への影響を、母乳と比較して判断することはできない。授乳を希望する母親や健康アドバイザーは、授乳をやめる、もしくは減らすことを決める際に、栄養強化した調整粉乳は乳児に大きな利益をもたらすという明確なエビデンスを求めるだろう。退院後の早産児を対象として栄養強化した調整粉乳と標準的な調整粉乳を比較した試験のエビデンスにより、成長や発達への効果が実証されれば、栄養強化した調整粉乳と母乳を比較する試験の実施を後押しすることになると考えられる。

アブストラクト全文を読む
背景: 

退院時における早産児の成長には、しばしば限界がある。退院後の早産児に母乳ではなく栄養強化した調整粉乳を与えることは、成長の遅れを取り戻す助けとなり、発達を改善する可能性がある。

目的: 

退院後の早産児の成長と発達について、栄養強化した調整粉乳の効果を母乳と比較すること。

検索戦略: 

Cochrane Neonatal Review Groupの標準的な検索方法を用いた。Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ、2007年第2号)、MEDLINE(1966年~2007年5月)、EMBASE(1980年~2007年5月)、CINAHL(1982年~2007年5月)、および会議の議事録や過去のレビューを検索した。

選択基準: 

退院後の早産児を対象として栄養強化した調整粉乳と母乳を比較したランダム化または準ランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビュー著者が、Cochrane Neonatal Review Groupの標準的な方法で、試験の質をそれぞれ評価し、データを抽出した。

主な結果: 

適格な試験は同定されなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.25]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
 CD004862 Pub2

Tools
Information