臍帯動脈カテーテル使用中の新生児における罹病率および死亡率を減少するための抗生物質予防投与

著者の結論: 

臍帯動脈カテーテルが新生児に挿入された場合の抗生物質予防投与を支持あるいは否定するのに十分なエビデンスは、ランダム化試験から得られていない。また、臍帯動脈カテーテル使用中の新生児で最初の培養により感染が否定された場合の抗生物質継続を支持あるいは否定するエビデンスはない。

アブストラクト全文を読む
背景: 

臍帯動脈カテーテルは状態のよくない新生児で使用されることが多い。本カテーテル使用に関連する感染は、著しい罹病率および死亡率の原因となる。抗生物質の予防投与は、細菌定着および後天性感染リスクを減少させるため、臍帯動脈カテーテル使用中のすべての新生児にその使用が擁護されている。これに対して、抗生物質耐性菌の出現などの有害性の方が利益を上回るという可能性がある。

目的: 

主要な目的は、抗生物質の予防投与が臍帯動脈カテーテル使用中の新生児における死亡率および罹病率を減少するか評価することである。臍帯動脈カテーテル使用中の新生児における抗生物質予防投与に関する2つの異なる方針について検討した。(1)臍帯動脈カテーテル使用中の新生児における、プラセボ、無治療に対するカテーテル使用期間(または、抗生物質投与の他の固定された期間)中の抗生物質予防投与の方針、(2)カテーテル挿入時に抗生物質を開始したが敗血症を除外するための最初の培養が陰性であった、臍帯動脈カテーテル使用中の新生児において抗生物質予防投与を中止するか、あるいは継続するかの方針。

検索戦略: 

MEDLINE(1950年1月~2007年5月)、CINAHL(1982年~2007年5月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ 2007年、Issue 2)、Cochrane Neonatal Group Specialised Registerと文献リストを検索した。本検索を2010年11月に更新した。

選択基準: 

臍帯動脈カテーテル使用中の新生児が抗生物質予防投与、プラセボまたは無治療にランダム化されている、適切な質のランダム化比較試験および一部の非ランダム化(準ランダム化)比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に試験の質を評価した。

主な結果: 

2件の準ランダム化試験が選択基準に合致した。しかし、その質が不良なため結果を統合しなかった。どちらの研究でも重要なアウトカムに統計学的な有意差はなかった。

Tools
Information