早期乳癌の補助療法のためのタキサン系

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著者の結論: 

今回の研究のメタアナリシスは、手術可能な早期乳癌の女性患者の全生存期間および無病生存期間の改善について、タキサンを含む補助化学療法レジメンの使用を支持している。本レビューは、タキサンを含む療法の効果は程度のはあるが有効であったと思われる患者のサブグループを同定しなかった。タキサン薬剤の用量および投薬計画は明確に定められておらず、早期乳癌でのタキサン系の最適使用を決定するための次世代の研究結果が待たれる。

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背景: 

補助化学療法は、閉経前および閉経後の早期乳癌女性患者の生存を改善させる。タキサン系は、転移性乳癌に対して活性の高い化学療法薬である。本レビューでは、本剤の早期乳癌における役割を検討する。

目的: 

閉経前および閉経後の早期乳癌女性患者に対する補助療法として、タキサンを含む化学療法レジメンとタキサンを含まない化学療法レジメンを比較しているランダム化エビデンスをレビューする。

検索方法: 

2007年1月9日に、コードとして早期乳癌、キーワードとしてタキサン系を用いてCochrane Breast Cancer Group Specialised Registerを検索した。Register作成のために用いた検索戦略の詳細は、コクラン・ライブラリのGroupモジュールに記載されている。その他、関連するレビュー文献および論文の参照文献リストも検索した。

選択基準: 

手術可能な乳癌の女性患者を対象にタキサンを含むレジメンとタキサンを含まないレジメンとを比較しているランダム化試験。ネオアジュバント化学療法を受けている患者は除外した。

データ収集と分析: 

発表済みの試験と抄録からデータを収集した。2名のレビューアが独自に研究の適格性と質を評価し、データを抽出した。イベント発現までの期間のアウトカムについてハザード比(HR)を導き出し、固定効果モデルを用いてメタアナリシスを実施した。主要アウトカム指標は全生存期間であった。無病生存期間を副次的アウトカム指標とした。毒性およびQOLのデータが報告されている場合には、それらを抽出した。

主な結果: 

20件の研究を同定し、うち12件(7件は論文、5件は抄録)の研究で本レビューに含めるために十分なデータが発表されていた(全生存期間について11件、無病生存期間について11件)。追跡期間の重み付け平均中央値は60.4ヵ月であった。すべての研究は質の基準を十分にまたは満足に満たしていた。死亡例2483例を含む女性患者18,304例での全生存期間のHRは0.81(95% CI0.75~0.88、P<0.00001)であり、タキサンを含むレジメンで有利であった。4,800件のイベント発現例を含む女性患者19,943例の無病生存期間のHRは0.81であり(95% CI0.77~0.86、P<0.00001)、タキサンを含むレジメンで有利であった。全生存期間または無病生存期間について統計学的な異質性はなかった。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2008.1.11

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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