高リスク患者の重篤な血管事象を予防するためのトリフルサール

著者の結論: 

脳卒中またはTIAの患者およびAMIの患者では、重篤な血管事象の二次予防効果にはトリフルサールとアスピリンとの間に有意は認められなかった。しかし、本レビューの結果からは、有効性に中等度のがある可能性を除外できない。トリフルサールは、出血性合併症のリスク低下と関連していた。

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背景: 

アスピリンは、脳卒中をはじめとする血管事象の二次予防のための標準治療薬である。数件の研究から、トリフルサールの安全性プロファイルはアスピリンより優れていることが示唆されている。

目的: 

血管事象のリスクが高い人を対象に、重篤な血管事象の一次および二次予防としてトリフルサールが有効かつ安全な治療薬であるかどうか判定する。

検索方法: 

次のCochrane Review Groupsの試験登録簿を検索した。Storoke Group(2004年10月最終検索)、Heart Group、Peripheral Vascular Diseases GroupおよびMetabolic and Endocrine Disorders Group(2003年5月最終検索)。加えてCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2003年第2号)、MEDLINE(1977~2003年)およびEMBASE(1980~2003年)を検索した。参照文献リストを検索し、この分野の研究者、関連性のある試験の著者および製薬会社に問い合わせた。

選択基準: 

血管事象のリスクが高い人を対象に、トリフルサールとプラセボまたはアスピリンを比較したランダム化および準ランダム研究

データ収集と分析: 

2名のレビューアが、独立して試験の品質を評価し、データを抽出した。重篤な血管事象(非致死性急性心筋梗塞(AMI)、非致死性虚血性または出血性脳卒中、または血管性死亡)を主要アウトカムとした。このほかに、異なる血管事象、有害事象、軽微な出血および重大な出血の頻度を有効性および安全性指標として収集した。

主な結果: 

(1)アスピリンとトリフルサールの比較:5件の研究は、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の患者(4件;患者2,944名;追跡期間6~47ヵ月)またはAMIの患者(1件;患者2,275名;追跡間35日)を登録していた。登録基準は、患者の各サブグループ内で同等であった。患者群は適切に選択されており、十分にマッチしていた。全ての試験で、血管事象の複合アウトカムを主要アウトカムとしていた。1件の研究(217名)を除いて、試験に重大なバイアスはなかった。主要アウトカムである重篤な血管事象については、トリフルサールとアスピリンとの間に有意が認められず、オッズ比(OR)は1.04(95%信頼区間(CI)0.87~1.23)であった。軽微な出血(OR 1.60、95%CI 1.31~1.95)および重大な出血(OR 2.34、95%CI 1.58~3.46)のいずれにも、出血の頻度には有意が認められ、非出血性胃腸有害事象にも有意が認められた(OR 0.84、95%CI 0.75~0.95)。割りつけの適切な試験割りつけ不良の試験を比較した感度分析は有意を示さなかった。(2)トリフルサールとプラセボとの比較:2件の試験は不安定狭心症(281名)または末梢動脈症(122名)の患者を登録し、6ヵ月間追跡した。トリフルサールは、重篤な血管事象の減少(OR 2.29、95%CI 1.01~5.19;ORが1を超える場合はトリフルサールが有利であることを示す)および有害事象の頻度上昇(OR 1.68、95%CI 1.00~2.80)と関連していた。

訳注: 

監  訳: 2006.6.23

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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