成人および小児の慢性喘息に対する、フルチカゾン/サルメテロール配合製剤とブデソニド/ホルモテロール固定用量配合製剤との比較

著者の結論: 

悪化および重篤な有害事象についての効果推定値における統計学的不明瞭さのため、どちらの治療が優れているか結論を出せなかった。効果推定値に伴う不明瞭さにより、より明確な結論を提示するさらなる試験が必要である。3つの主要アウトカムおよび重篤な有害事象による中止について、GRADE勧告に基づく全般的なエビデンスの質は中等度であった。死亡率についてのエビデンスの質は、低いと評価した。肺機能アウトカムの結果により薬剤は十分に類似していることが示されたため、さらなる研究によって効果が変化する可能性は低い。12歳未満を対象とした試験は同定されず、当該集団における研究が最優先事項の一つである。生活の質の評価が今後の研究の優先事項の一つである。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

吸入コルチコステロイドによるコントロールが不良な喘息患者において、長時間作用型ベータ作動薬は一般的な二次選択療法である。単一デバイス吸入器は、長時間作用型ベータ作動薬と吸入ステロイドを配合し、両薬剤を維持治療レジメンとして投与するものである。フルチカゾン/サルメテロール(FP/SAL)配合製剤とブデソニド/ホルモテロール配合製剤は一般的に選択される治療であることから、本更新レビューでは、固定用量のこの2つの選択肢について比較する。

目的: 

フルチカゾン/サルメテロールとブデソニド/ホルモテロールとの相対的効果を喘息患者を対象に評価すること。

検索方法: 

あらかじめ規定した用語でCochrane Airways Group register of trialsを検索した。製造業者のウェブサイトおよびオンライン試験登録のハンドサーチもその後追加した。最新の検索結果は2011年6月までである。

選択基準: 

喘息と診断されている成人または小児を対象に固定用量のフルチカゾン/サルメテロールとブデソニド/ホルモテロールとを比較しているランダム化研究を選択した。研究における投与期間は12週以上とした。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが本レビューの選択について研究を別々に評価した。連続的なデータアウトカムは平均差(MD)により、二項データアウトカムはオッズ比(OR)により統合した。Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation (GRADE) systemを用いてエビデンスの質を評価した。

主な結果: 

5件の研究が本レビューの選択基準を満たした(成人5,537例)。対象集団は、吸入ステロイド治療歴があり、中等度または軽度の気道閉塞(平均予測FEV1がベースライン時65%~84%)を有する場合、研究に参加した。研究の多くは6カ月を超える投与について評価していた。当該研究は、選択バイアスおよび実行/検出バイアスが低リスクであったが、欠失データが結果に影響しているかどうかを確認できなかった。アウトカムデータの入手は満足できるものであった。 主要アウトカム ステロイドの経口投与を必要とする悪化についてのオッズ比はフルチカゾン/サルメテロールの方が低かったが、統計学的有意差には達しなかった[OR 0.89、9%信頼区間(CI)0.74~1.07、研究4件、4,949例]。ステロイドの経口投与を要する参加者1,000例中、106例がブデソニド/ホルモテロールによるとリスクを仮定した場合、フルチカゾン/サルメテロール投与により、1,000例につき81~113例がステロイドの経口投与の経過をとっている。入院オッズ比はフルチカゾン/サルメテロールの方が高かったが、統計学的有意差に達しなかった(OR 1.29、95%CI 0.68~2.47、研究4件、参加者4,879例)。ブデソニド/ホルモテロールの入院推定リスクを1,000例につき7例とした場合、フルチカゾン/サルメテロールでは1,000例につき5~17例であった。喘息関連の重篤な有害事象オッズ比はフルチカゾン/サルメテロールの方が高かったが、投与間で有意差はなかった(OR 1.47、95%CI 0.75~2.86、研究3件、参加者4,054例)。重篤な有害事象発現がブデソニド/ホルモテロールで1,000例につき7例とリスクを推定すると、フルチカゾン/サルメテロールでは1,000例につき5~20例であった。 副次アウトカム 肺機能アウトカム、症状、発作時の応急薬、救急部門受診または入院のいずれかに至る悪化、試験中止および有害事象には、投与間での統計学的有意差はなかった。生活の質の評価は2件の研究に限定されており、どちらの結果も統計学的有意差に達しなかった。1件の研究では、フルチカゾン/サルメテロール投与1,000例中1例の死亡を報告していたが、ブデソニド/ホルモテロール投与参加者の同数において死亡の報告はなかった。他の研究では死亡の報告はなかった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2012.4.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save