多数の化学療法は進行子宮内膜癌女性に有用であるが、最善の併用化学療法はまだはっきりしていない

併用での化学療法薬が多い方が進行性または再発性子宮内膜癌女性の生存期間延長および癌の播種や悪化の遅延に良いと考えられている。しかし、これらの追加薬剤投与により、もっと重篤な短期的副作用が生じる可能性がある。より多くの薬剤を使用することで長期的副作用、症状コントロール、または生活の質にどのような影響が生じるかについて、本レビューで選択した個々の試験においては十分に検討されておらず、わからないままである。

著者の結論: 

本レビューでは、より強力な化学療法レジメンにより、進行性または再発性子宮内膜癌女性においてOSとPFS両方が改善することが示唆された。しかし、今までのところランダム化試験で評価した細胞傷害性薬剤の併用には意見の一致が見られないことから、最適なレジメンが未だに定まっていない。今後の試験では、生存および進行のアウトカムに加えて生活の質(QOL)および症状コントロールの指標を含むように心がけるべきである。

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背景: 

子宮内膜腺癌はよくみられる婦人科癌であるが、比較的少数の患者では現在または今後、再発性または進行性を呈する。しかし、これらの進行癌または再発癌罹患女性の予後は不良で、最善の治療法はまだ定まっていない。肥満や心疾患などの共存疾患および毒性に対する懸念から、多数の活性薬剤があるにもかかわらず、細胞傷害性化学療法のもっと大規模な研究は行なわれてこなかった。

目的: 

進行性、再発性または転移性子宮内膜腺癌女性における細胞傷害性化学療法のあらゆる利益または有害作用を評価すること。

検索方法: 

MEDLINE、EMBASE、CENTRAL、Cochrane Gynaecological Cancer specialist trials registerのシステマティックな検索を実施し、すべての適格なランダム化比較試験(RCT)を同定した。データベースの検索は1966年から2012年1月までとした。関連する試験登録および学会抄録の検索により文献検索を補充した。

選択基準: 

進行疾患を対象に化学療法を別の介入(異なる化学療法も含む)と比較したRCTを検討した。アジュバント治療、または肉腫性腫瘍の試験は除外した。

データ収集と分析: 

レビューアが論文からデータを抽出し、選択した研究の著者らに詳細を得るべく連絡を取った。

主な結果: 

1974~2005年に患者を組み入れた14件を適格な試験として同定したが、うち8件は「多剤」化学療法を「より少ない」化学療法と比較していた。1,519名の患者のこれら8件の試験の結果によると、「多剤」化学療法からなる治療の方が、全生存(OS)が長く[ハザード比(HR)0.86、95%信頼区間(CI)0.77~0.96、P = 0.005]、無進行生存(PFS)が長かった(1,526名、HR 0.82、95%CI 0.74~0.90、P < 0.0001)。しかし、より強力な化学療法レジメンにランダム割付けされた女性で重篤な急性毒性が多かった。 ある特定の2剤併用化学療法が他の2剤併用化学療法に比べて有効(または無効)、もしくはある単剤化学療法が別の単剤化学療法に比べて有効(または無効)であると示唆するエビデンスはなかったが、これら2つを比較するデータは限られていた。化学療法と内分泌療法との比較試験、または最善の対症療法(best supportive care)のみの治療との比較試験はなかった。

訳注: 

監  訳: 大神 英一,2012.12.27

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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